「天上天下唯我独尊」の誤解と真実

胸に手を当てて空を見上げる若者。「天上天下唯我独尊」の文字が添えられている

「オレ様最強」ではない、本当の意味

天上天下唯我独尊」という言葉を耳にしたとき、
多くの人が「オレ様が一番偉い」といった
自己中心的なニュアンスを思い浮かべるかもしれません。
しかし、これは本来の意味とはまったく異なる誤解です。

仏教における「天上天下唯我独尊」

この言葉は、仏教に伝わるお釈迦様の誕生伝説に由来しています。
生まれてすぐに七歩歩き、右手で天を、
左手で地を指して発したとされる言葉が「天上天下唯我独尊」。
これは「私が一番偉い」という意味ではなく、
「この命は唯一無二で尊い存在」であるという命の尊厳を示す教えです。

他と比べるのではなく、自分を尊ぶ

唯我独尊」とは、他人より優れているという意味ではなく、
「この世に私という存在は他に代えがたい唯一のもの」ということ。
誰とも違う自分自身をそのまま大切にしていい
という、深い自己肯定の言葉なのです。

音楽や表現とつながる真意

音楽や芸術の世界でも、
模倣を超えた「わたしだけの音・表現」を求める瞬間があります。
それこそが、「唯我独尊」に通じる創造のプロセス。
他の誰かと比べて優れているかどうかではなく、
自分にしか出せない音、自分の声を信じることが大切です。

あなた自身が「唯一の命」

天上天下唯我独尊」とは、
仏教が伝える全ての命の尊厳を説いた言葉。
あなたもまた、他の誰とも同じでない、
尊くかけがえのない存在です。
周囲と比べすぎず、自分の声・音・人生を信じて表現してください。
その音が、誰かの心を癒し、励まし、つながりを生んでいくかもしれません。

野口 尚宏

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