音楽における本当の自由とは|相手を自由にすると自分も自由になる

暖かな光の部屋で、女性が伸びやかに歌い、男性がその声に耳を傾けながら控えめにピアノで伴奏する水彩アニメ風イラスト。ピアノの黄金の光が歌声の光を邪魔せず包み込むように流れ、下部中央に「相手を自由にすると、自分も自由になる。」の白いテキスト。

「自由に弾いていい」の、本当の意味

ジャズは、自由な音楽だと言われます。

楽譜に縛られない。
決まった正解がない。
その場で好きなように演奏していい。

確かに、そういう側面はあります。

でも、
「自由に弾いていい」というのは、
「何をやってもいい」という意味では
ありません。

この違いは、
とても大切なところです。

好き勝手に音を出すことは、自由ではない

セッションの場で、
時々こういう演奏に出会うことがあります。

誰の音も聴かず、
ひたすら自分の音を出し続ける。
他の人が何をしていようと、
お構いなし。

本人は「自由に演奏している」
つもりかもしれません。

でも、その場にいる他の人にとって、
それはとても窮屈な時間です。

一人が好き勝手に振る舞うとき、
他の全員の自由が
奪われているのです。

それは、自由ではありません。
ただの独占です。

お互いの自由は、相手への配慮の上に成り立つ

本当の自由とは、
その場にいる全員が
自由でいられる状態です。

そのためには、
一つだけ必要なことがあります。

相手にとって
嫌なことをしない、ということです。

相手が歌っているとき、
その声を邪魔する音を出さない。
相手がソロを取っているとき、
その邪魔をしない。
相手が静かに弾きたいときに、
大きな音でかぶせない。

これは、ルールではありません。
相手への配慮です。

そしてこの配慮があるからこそ、
相手も安心して
自由に音を出せるようになります。

「自分が逆の立場だったら」と考える

ではどうすれば、
相手が嫌がることを避けられるのか。

方法は、シンプルです。

「自分が逆の立場だったら、
どう感じるだろう」
と考えることです。

自分が歌っているときに、
こんな音を出されたら嬉しいか。
自分がソロを弾いているときに、
こんな伴奏をされたら心地よいか。

その問いを、
演奏しながら持ち続ける。

音楽における自由とは、
この問いの中でこそ
成立するものです。

「心地よい音」「嬉しい音」を選ぶ自由

ここで、大切な転換が起こります。

「何を出してもいい自由」から、
「相手が心地よいと感じる音を
自分で選べる自由」へ。

後者の方が、
はるかに難しく、
はるかに豊かです。

相手の音をよく聴いて、
「今、この人に何を返せば
この人はもっと自由になれるか」
を考える。

そして、その音を
自分の意志で選んで出す。

これこそが、
音楽における本当の自由です。

制約の中で選ぶからこそ、
そこに意志が宿ります。
何をやってもいい状態には、
実は意志が生まれません。

相手を自由にすると、自分も自由になる

不思議なことが起こります。

相手が心地よく演奏できるように
音を選んでいると、
相手はのびのびと音を出し始めます。

そして、
のびのびとした相手の音は、
今度はあなたに
新しい可能性を運んできます。

「そう来るなら、
自分はこう返せる」

相手を自由にしたことで、
自分の選択肢も
広がっていくのです。

逆に、自分だけが好き勝手に弾くと、
相手は萎縮し、
返ってくる音も貧しくなります。
結果的に、
自分の音楽も痩せていきます。

自由は、
奪い合うものではなく、
与え合うことで増えていくものです。

これは、音楽だけの話ではない

お気づきかもしれません。

この話は、
音楽の中だけで完結しません。

職場でも、家庭でも、
友人との関係でも、
まったく同じことが言えます。

自分の自由ばかりを主張すれば、
周りの自由が奪われます。

でも、
相手が心地よくいられるように
配慮できる人の周りでは、
みんなが伸びやかになります。

そして、その伸びやかさは、
めぐりめぐって
自分に返ってきます。

音楽は、
この真理を音で教えてくれます。

本当の自由を、一緒に育てませんか

音楽における自由とは、
好き勝手に音を出すことではなく、
相手が心地よいと感じる音を
自分の意志で選べることです。

そのためには、
相手の音を聴く耳と、
相手の立場に立つ想像力が必要です。

これは、
一人で練習していても
身につきません。

誰かと音を交わす中でしか、
育たない力です。

サヴァサヴァには、
お互いの音を大切にしながら
一緒に音楽をつくっていく
仲間がいます。

本当の自由を味わう音楽を、
ここで一緒に体験してみませんか。

Music Space サヴァサヴァ
   野口 尚宏

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!