歌は「山」と「谷」で描く。低い音はそっと、高い音は強く。

感情を込めて歌う女性シンガー。口から出る歌声がリボンのように可視化され、低い音は静かな青色、高い音は力強く華やかな赤や黄金色へと変化し、音の強弱(ダイナミクス)を描いている様子:歌の抑揚のつけ方

音程は合っているのに、なぜか棒読み(一本調子)に聞こえてしまう。
その最大の原因は、「音の強さ(音量)」がずっと一定だからです。

歌にドラマチックな抑揚をつけるための、
最もシンプルで効果的な「基本ルール」から始めてみましょう。

自然な感情の波を作る

人間が感情を爆発させる時、声のトーンは自然と高くなり、
声量も大きくなります。逆に、落ち着いて語りかける時は、声は低く、小さくなります。

歌もこれと同じです。
まずは、以下のルールを意識してみてください。

  • Aメロ(低い音域): 優しく、ささやくように、小さく。
  • サビ(高い音域): 遠くに届けるように、大きく、強く。

この「山(高・強)」と「谷(低・弱)」の落差を作るだけで、
歌には立派なストーリーが生まれます。

音色とフレーズで彩りを

基本の強弱ができるようになったら、次はそこへ「肉付け」をしていきましょう。

ただ大きくするだけでなく、鋭い声にするのか、
太い声にするのか(音色の変化)フレーズの語尾を丁寧に置くのか、
投げ捨てるように切るのか(フレージング)。

骨組み(強弱)に、色(音色)を塗っていく作業。
ここまで出来て初めて、あなたの歌は「あなただけの表現」になります。

最初は極端なくらい「低い=小」「高い=大」をやってみてください。
そのダイナミックな波に乗れた時、今まで平坦だったメロディが、
鮮やかな景色となって見えてくるはずです。

野口 尚宏