歌と楽器、両方ができる音楽の深さ|苦手意識を超える

暖かな光の部屋で、女性がピアノを弾きながらマイクで歌う水彩アニメ風イラスト。鍵盤と喉から黄金の光が流れ出して融合し、下部中央に「歌と楽器、両方が音楽を深くする。」の白いテキスト。

歌う人は楽器をやらない、楽器をやる人は歌わない

音楽教室に長く関わっていると、
不思議な傾向が見えてきます。

歌を歌っている方は、
楽器を弾かない方が多い。
楽器を弾いている方は、
歌わない方が多い。

「私は歌だから、楽器はいいの」
「楽器は弾けるけど、歌は別物」

そんな言葉を、よく耳にします。

特にジャズの世界では、
この傾向がはっきりしています。

ジャズボーカリストは
理論や譜面が苦手という方が多く、
楽器奏者は歌うことに
抵抗を感じる方が多い。

でも、本当にそれでいいのでしょうか。

J-POPの世界では、当たり前の風景

視点を少し変えてみます。

J-POPのアーティストを
思い浮かべてみてください。

歌いながらギターも弾く。
ピアノを弾きながら作曲する。
打ち込みでアレンジまでする。
マルチに楽器をこなす。

こういうマルチプレイヤーが、
もはや「普通」になっています。

むしろ、歌だけ、
楽器だけ、というアーティストの方が
少数派かもしれません。

では、なぜジャズや
クラシック寄りの音楽の世界では、
専門分化が進んでいるのでしょうか。

「歌」と「楽器」は、本来は同じもの

音楽の歴史を遡れば、
「歌」と「楽器」が分かれていない時代の方が
圧倒的に長いことがわかります。

吟遊詩人は、
リュートを弾きながら歌いました。
賛美歌の作曲家は、
オルガンを弾きながら歌詞を綴りました。
民謡の歌い手は、
太鼓や弦楽器とともに歌い継がれてきました。

「歌う」と「奏でる」は、
もともと一つの行為だったのです。

分業が進んだのは、
音楽が職業化し、
専門化していった近代以降の現象です。

本来の音楽の姿は、
もっと自由で、
もっと総合的なものでした。

楽器ができると、歌の世界が深くなる

もしあなたが歌を歌っているなら、
少しだけピアノに触れてみてください。

難しいことを弾く必要はありません。
コードを一つ押さえるだけでも、
歌の聴こえ方が変わります。

「ああ、この曲は
このハーモニーの上で
歌っていたんだ」

「メロディはコードに対して、
こういう関係で動いていたんだ」

そんな発見が次々に訪れます。

歌だけを歌っているときには
見えなかった音楽の構造が、
楽器を通じて見えてくるのです。

そしてその「構造の理解」が、
あなたの歌に深さを与えていきます。

理論や譜面は、歌を縛るものではない

「理論や譜面が苦手」
という気持ちは、
歌を歌う方によく見られます。

これは決して恥ずかしいことではありません。
歌は感性の表現ですから、
感覚で歌えること自体が才能です。

ただ、こんなふうに考えてみてください。

理論や譜面は、
あなたの感性を縛るものではありません。
むしろ、
あなたの感性をより自由にしてくれる
「地図」のようなものです。

地図があれば、
知らない場所にも安心して
足を踏み入れられます。
道に迷っても、
戻ってこられる確信が持てます。

理論を知ると、
むしろ即興の自由度が増す。
譜面を読めると、
新しい曲との出会いが豊かになる。

感性で歌えるあなたが、
そこに地図を持つだけで、
音楽の世界はぐっと広がります。

「両方できる」は、特別なことではない

「歌も楽器もなんて、
そんなに器用じゃないから無理」

そう思われる方も多いかもしれません。

でも、両方を「プロレベル」で
こなす必要はないのです。

歌が中心でも、
楽器は「自分の歌を支える程度」に弾ければ
世界が変わります。
楽器が中心でも、
歌は「フレーズを口ずさめる程度」で
表現が変わります。

大切なのは、
もう一方の世界を「知っている」こと。
体験として、
身体感覚として持っていること。

それだけで、
あなたのメインの音楽は
確実に深まっていきます。

「両方できる」が、音楽のスタンダードになってほしい

歌も歌えて、楽器もできる。

これが特別なことではなく、
音楽を楽しむ
当たり前のスタイルになってほしい。

そう願っています。

専門化することの良さもあります。
でも、専門に閉じこもることで
失っているものも、確かにあるのです。

音楽は、もっと総合的で、
もっと自由なはずです。

歌の人がコードを学ぶ。
ピアノの人が口ずさむ。
その小さな越境が、
あなたの音楽を本来の豊かさに
戻してくれます。

苦手意識のあるあなたへ

歌を歌っているけれど、
理論や楽器に苦手意識がある方は、
多いと思います。

「今さら楽器を始めるなんて」
「理論は難しそう」
「自分には向いていない」

そう感じてしまう気持ちも
よくわかります。

でも、独学で抱え込む必要はありません。
「ここから始めれば大丈夫」という
ステップを示してくれる人がいるかどうかで、
苦手意識との向き合い方は
大きく変わります。

サヴァサヴァでは、
歌と楽器の両方をバランスよく
学んでいくことができます。

歌が中心の方には、
歌を深めるためのピアノや理論を。
楽器が中心の方には、
音楽を立体的に感じるための歌を。

「両方できる」喜びを、
ぜひ一度体験してみてください。

音楽が、もう一段階
深い場所へと連れて行ってくれるはずです。

Music Space サヴァサヴァ
  野口 尚宏

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