練習を休むことに罪悪感を感じるあなたへ|休むことも音楽の一部

午後の柔らかな光が差し込む部屋で、女性が窓辺の椅子に座り温かいお茶を手に目を閉じて安らぐ水彩アニメ風イラスト。奥には使われていないピアノが静かに置かれ、まばらな音符が穏やかに漂い、下部中央に「休むことも、音楽の一部。」の白いテキスト。

今日も練習できなかった、と自分を責めていませんか

「今日も練習できなかった」
「昨日もサボってしまった」
「こんなことでは上達しない」

そう自分を責めてしまう方は、
とても多いと思います。

真面目な人ほど、
この罪悪感に苦しみます。

楽器を見るたびに、
「やらなきゃ」というプレッシャーを感じる。
できなかった日は、
一日中どこか後ろめたい。

でも、少し立ち止まって
考えてみてほしいのです。

その罪悪感は、
本当に必要なものでしょうか。

練習したくない日は、あって当たり前

まず、はっきりとお伝えします。

練習したくない日は、
あって当たり前です。

プロの演奏家でも、
「今日は弾きたくないな」と思う日があります。
何十年続けてきた人でも、
気分が乗らない日はあります。

これは、あなたの意志が弱いからでも、
音楽に向いていないからでもありません。

人間には、波があります。
気分にも、体調にも、
集中力にも波がある。

その波を無視して
無理に続けようとすると、
かえって音楽が嫌いになってしまうことがあります。

休むことも、音楽の一部

意外に思われるかもしれませんが、
休むことも音楽の大切な一部です。

以前のコラムで、
「見えない成長」の話をしました。

練習していない間も、
脳の中では学んだことが
整理され、定着していきます。

実は、この「定着」は、
休んでいるときにこそ
進むことがわかっています。

詰め込み続けるより、
適度に間を空けたほうが、
記憶や技術が深く根づく。

つまり、休むことは
「何もしていない時間」ではなく、
「体と脳が音楽を消化している時間」なのです。

音楽にも、休符があります。
休符があるから、次の音が生きる。

練習の日々にも、
休符が必要なのです。

スランプは、成長のサインかもしれない

「最近、伸びている気がしない」
「むしろ下手になった気さえする」

そんなスランプに
陥ることもあると思います。

でも、スランプは
悪いことばかりではありません。

「下手になった気がする」というのは、
実は耳が育った証拠であることが多いのです。

以前は気づかなかった自分の粗が、
耳が育ったことで
聴こえるようになった。

つまり、演奏が下手になったのではなく、
「良い音がわかる耳」が先に育ったのです。

耳が育ったあとに、
演奏がそれに追いついてくる。
そのタイムラグの時期が、
スランプと呼ばれる状態です。

スランプは、
次の成長の直前に訪れることが多い。
だから、そこで焦って
自分を責める必要はないのです。

「やらなきゃ」が、音楽を遠ざける

罪悪感には、思わぬ副作用があります。

「練習しなきゃ」という気持ちが強すぎると、
音楽が「義務」になってしまいます。

義務になった音楽は、
楽しくありません。
楽しくないから、
ますます楽器から遠ざかる。

そして遠ざかると、
また罪悪感が募る。

この悪循環に
陥っている方は少なくありません。

この循環を断ち切るには、
「やらなきゃ」を手放すことです。

「やりたくない日は、やらなくていい」
そう自分に許可を出すこと。

不思議なことに、
「やらなくていい」と思えたとき、
ふと「やってみようかな」という気持ちが
戻ってくることがあります。

音楽との関係は、一生続く

大切なのは、
今日一日の練習ではありません。

音楽と一生付き合っていけるかどうか、
です。

短距離走のように毎日を追い込んで、
数年で燃え尽きてしまうより、
波と付き合いながら、
10年、20年と続けていくほうが、
ずっと豊かな音楽人生になります。

休む日があってもいい。
やりたくない時期があってもいい。
離れていた時間も、
また戻ってくれば、それでいい。

音楽は逃げません。
あなたが戻ってきたとき、
いつでもそこで待っています。

頑張りすぎているあなたへ

練習を休むことに罪悪感を感じている方は、
それだけ音楽に真剣な方です。

その真剣さは、
とても素晴らしいものです。

でも、真剣さゆえに
自分を追い込みすぎて、
音楽が苦しくなっているなら、
少し力を抜いてみてください。

サヴァサヴァは、
あなたを追い立てる場所ではありません。

あなたのペースを大切にしながら、
音楽と長く付き合っていける関係を
一緒に育てていく場所です。

一人で抱えていると、
休むことさえ怖くなってしまいます。
「今は休んでいい時期ですよ」
と言ってくれる人がそばにいるだけで、
音楽との関係はずっと楽になります。

練習しなきゃと自分を責めてしまう方こそ、
ぜひ一度スタジオへ来てみてください。

力を抜いて音楽を楽しむことから、
また始めていきましょう。

Music Space サヴァサヴァ
   野口 尚宏

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