「音楽性の違い」という便利な言葉
バンドが解散する時、
決まり文句のように使われる「音楽性の違い」という言葉。
しかし、現場のリアルを知る人なら気づいているはずです。
プロのバンドが解散する本当の理由は、金銭的なトラブルや、
生き方・考え方の不一致であることがほとんどだと。
断言しましょう。
本当に熟練したミュージシャン同士は、
音楽そのもので喧嘩をすることはありません。
未熟だから、自分の「正解」を押し付ける
音楽で喧嘩するのは「アマチュア」の証拠
なぜ、キャリアの浅いバンドほど練習中に険悪なムードになるのでしょうか?
それは、お互いに技術や精神が未熟で、
「自分の中にある狭い正解」を相手に押し付けてしまうからです。
「そこはもっとこう弾くべきだ」「その音は間違っている」
相手をコントロールしようとする自我(エゴ)がぶつかり合うから、
喧嘩になるのです。
これは音楽の議論ではなく、
単なるエゴの張り合いです。
ジャズに「喧嘩」が存在しない理由
違いこそが「ご馳走」
一方で、熟練したジャズミュージシャンを見てください。
彼らは、自分と全く違うアプローチをする奏者に出会った時、
眉をひそめるのではなく、ニヤリと笑ってこう言います。
「へぇ、そう来るんだ。面白いね!」
ジャズにおいて、相手の個性や音楽性は「リスペクトすべき違い」です。
「俺とあいつは違う。だからこそ、一緒にやると面白いことができる」
この精神的余裕があるからこそ、
音による対話は成立しても、喧嘩にはなり得ないのです。
音は口ほどに「敬意」を語る
アンサンブルをしている時、相手の音をよく聴き、
その音を活かすように自分が反応する。
この行為そのものが、
「あなたを尊重しています」という究極のメッセージです。
言葉で言い争う暇があったら、音で愛のある会話をする。
それがプロフェッショナルであり、
私たちが目指すべき音楽の姿なのです。
音楽は互いの違いを認めることから
もし誰かと音を合わせていてイライラしてしまったら、思い出してください。
「あ、今自分は自分の正解を押し付けようとしているな」と。
違いを愛し、リスペクトを持って音を重ねる。
そうすれば、音楽は決して争いの種にはなりません。
Music Space サヴァサヴァで、そんな大人のアンサンブルを楽しみましょう。
野口 尚宏

