一曲を長く育てる音楽の楽しみ方|浅く広くより深く一点を

暖かな光の部屋で、女性が使い込まれた一枚の楽譜を前に、長年親しんだ一曲を穏やかな表情で弾く水彩アニメ風イラスト。ピアノから深く根を張った木のような黄金の光が育ち、四季の移ろいが漂い、下部中央に「一曲を、長く育てていく。」の白いテキスト。

次の曲へ、次の曲へと、急いでいませんか

一曲を仕上げると、
すぐに次の曲へ。
それが弾けたら、また次へ。

新しい曲を弾けるようになることは、
大きな喜びです。
レパートリーが増えるのは、
楽しいことです。

でも、ふと気づくことがあります。

たくさんの曲を弾いてきたはずなのに、
「本当に自分のものになった曲」が
意外と少ない。

一度弾けるようになった曲も、
しばらくすると
もう弾けなくなっている。

もしそんな感覚があるなら、
今日は「一曲を長く育てる」という
音楽との付き合い方を
お話ししたいと思います。

一曲には、何層もの深さがある

一つの曲を「弾ける」ようになることと、
その曲を「本当に理解する」ことは、
まったく違います。

音を間違えずに弾けるようになる。
これは、入り口に過ぎません。

その先に、
何層もの深さが広がっています。

この曲は、なぜこのコードなのか。
ここの間(ま)は、何を語っているのか。
この転調は、どんな感情の変化なのか。
自分なら、ここをどう表現するか。

一曲を長く弾き続けると、
こうした層が、
少しずつ見えてきます。

次々と曲を変えていては、
いつも入り口だけを
通り過ぎていくことになります。

同じ曲が、弾くたびに違って聴こえる

一曲を長く育てていると、
面白いことが起こります。

同じ曲なのに、
弾くたびに違って聴こえるのです。

半年前に弾いていたときと、
今弾くときとでは、
まったく違う曲のように感じる。

それは、曲が変わったのではありません。
あなたが変わったのです。

その間に経験したこと、
感じたこと、
成長したこと。
それらすべてが、
同じ曲に新しい色を
与えていきます。

一曲を長く弾き続けることは、
その曲を鏡にして
自分の変化を見つめることでもあります。

「自分の一曲」を持つということ

長く育てた曲は、
やがて「自分の一曲」になります。

何年も一緒に過ごしてきた曲。
目を閉じても弾ける曲。
その曲を弾けば、
自分が自分に戻れる曲。

そういう一曲を持っている人は、
強いです。

どんなに落ち込んでいても、
その一曲を弾けば、
音楽との繋がりを
取り戻せるからです。

百曲を浅く弾けることよりも、
一曲を深く弾けることの方が、
人生を豊かにしてくれることがあります。

その一曲は、
一生の友のような存在になります。

深く知った一曲が、他の曲を照らす

「一曲ばかり弾いていたら、
レパートリーが増えないのでは」
と思うかもしれません。

でも、実は逆です。

一曲を深く理解すると、
その理解が
他の曲にも生きてきます。

一曲の中で
コードの動きを深く体で覚えると、
他の曲でも同じ動きに
すぐ気づけるようになる。

一曲で表現の幅を広げると、
その表現力は
すべての曲に応用できる。

一曲を深く掘ることは、
実は音楽全体を
深く理解することにつながっているのです。

浅く広くより、
深く一点を。
そこから世界が広がっていきます。

急がなくていい。音楽は逃げない

私たちは、つい急いでしまいます。

早く上手くなりたい。
早くたくさんの曲を。
早く成果を。

でも、音楽は逃げません。

一曲とじっくり向き合う時間は、
回り道ではありません。
それは、
音楽ともっとも深くつながる
近道です。

一つの曲を、
季節をまたいで、
年をまたいで、
弾き続けてみてください。

その曲は、
あなたと一緒に育っていきます。
そしていつか、
あなたにしか弾けない
その一曲になります。

あなたの一曲を、一緒に育てていきませんか

「どの曲を、長く育てればいいのか」
「一曲をどう深めていけばいいのか」

一人だと、
その掘り下げ方が
見えにくいものです。

同じ曲でも、
「ここにこんな響きが隠れていますよ」
「今度はこう感じて弾いてみましょう」と
新しい層を示してくれる人がいると、
一曲はどこまでも深まっていきます。

サヴァサヴァでは、
曲数を増やすことより、
一曲を深く味わい、
育てていくことを
大切にしています。

あなたの一生の友になる一曲を、
ここで一緒に育てていきませんか。

Music Space サヴァサヴァ
  野口 尚宏

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