完璧じゃなくていい、一人じゃないから
「完璧に弾けるようになるまで、誰かと合わせるなんて無理です」。
そう言って、一人で練習室にこもってしまう方がいます。
その気持ちは痛いほどよくわかります。迷惑をかけたくない、
恥をかきたくないという真面目さの表れですよね。
でも、音楽の本質はそこにはありません。
アンサンブルやセッションとは、完成品を持ち寄る品評会ではなく、
「未完成なものを、その場で一緒に組み立てていく作業」なのです。
音楽は、競い合いではなく「助け合い」
転びそうになったら、支えればいい
ジャズのセッションは、よく会話に例えられます。
会話をしていて、誰かが言葉に詰まったり、
言い間違いをしたりすることは日常茶飯事です。
そんな時、私たちは相手を責めたりせず、
「ああ、こういうことが言いたいのかな?」と汲み取ったり、
言葉を補ったりしますよね。
音楽も全く同じです。
誰かがリズムを見失ったら、
ドラムが優しくビートを強調してあげる。
誰かがミスタッチをしたら、
ピアノがその音を肯定するようにハーモニーを変えてあげる。
そこにあるのは競争ではなく、
「お互い様」の精神と「助け合い」です。
未完成だからこそ、生まれる絆
最初から完成されたプラスチックのような音楽よりも、
その場でみんなが汗をかき、
迷いながらも一つの方向に向かって積み上げていく音楽には、
人間味あふれる温かさがあります。
「あ、今、僕の出した音にベースが反応してくれた!」
「私の隙間をドラムが埋めてくれた!」
そんな「支え合いの実感」が得られる瞬間こそ、
一人で練習している時には絶対に味わえない、
アンサンブル最大の喜びです。
みんなで一つの「家」を建てるように
私たちは楽譜という設計図を元に、
それぞれの楽器という道具を使って、
その瞬間にしか建たない「音楽という家」を建てています。
柱を立てる人、壁を塗る人、窓を作る人。
役割は違いますが、目的は一つ。
「心地よい空間を作ること」です。
まだ何もない更地に、みんなで音を持ち寄り、
少しずつ形になっていく過程を楽しむ。それがセッションです。
音で助け合うのがセッションの醍醐味
上手く弾こうとしなくて大丈夫です。
周りの音を聴いて、困っている人がいたらそっと音で手を差し伸べる。
逆に自分が困ったら、誰かの音に頼ってみる。
Music Space サヴァサヴァは、
そんな「優しさの交換」ができる場所でありたいと思っています。
未完成なパズルを、私たちと一緒に完成させませんか?
野口 尚宏

