「マイクは苦手」と思っていませんか?
ボイストレーニングを始めたばかりの方や、
これからライブハウスやカフェで歌ってみたいと思っている方から、
よく「マイクを持つと、自分の声じゃないみたいで苦手」
「どうすれば自然に聴こえるのか分からない」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
気持ちはとてもよく分かります。
でも、一つだけ知っておいていただきたい事実があります。
それは、マイクは「ただ声を大きくするだけの機械(拡声器)」ではないということです。
マイクは、あなたの声を魅力的に届けるための、もう一つの「楽器」なのです。
この楽器(マイク)の使い方を覚えれば、
どんな場所でも、あなたの歌声はより深く、
豊かに、人々の心に届くようになります。
マイクの距離は「声と音量」のブレンド(ミキシング)
「音がどう使われているかを知る」ことが大切だと、
以前のブログでお伝えしました。
マイクの使い方において、最も大切なのは「マイクと口元の距離」です。
マイクの使い方においても、ただ声を張り上げるのではなく、
「自らの意思を持ち、それをどう伝えて広げ、深めて行くか」のプロセスが重要です。
マイクに近づくと、低音(チェストボイスや温かみ)が強調され、
音量は大きくなります。
マイクから遠ざかると、高音(抜けや透明感)が強調され、
音量は小さくなります。
この距離をコントロールすることで、
「あなた自身の生の歌声」と「スピーカーから出る拡声された音」との音量バランスを、
あなた自身の手でブレンド(ミキシング)しているのです。
バラードの囁くようなフレーズではマイクを近づけ、
サビで思い切り歌う時は少し遠ざける。
これこそが、あなたの歌声をより深く、ドラマチックに彩る、
終わりのないプロセス(過程)なのです。
状況に合わせて「ブレンド率」を変える
音楽の到達点は一つではありません。
あなたが演奏する場所に合わせて、
マイクという楽器の使い方(ブレンド率)を変える必要があります。
1. カフェなどの小規模ライブ(10〜20名)
インパクトだけの音楽に少し疲れ、
大人になってから音楽を再開する方が、
初めてライブを行うことも多い「カフェ」などの小規模な場所。
ここでは、スピーカーの音よりも「あなたの生の歌声」の比率が高くなります。
マイクはあくまで補助的な役割(ブレンド率を低く)に留め、
自然な共鳴を大切にしましょう。
和音の仕組みや休符の静寂をじっくり味わうような演奏が映えます。
2. 大きいホールでの演奏
広い会場では、遠くまで音を届けるために、
スピーカーの音(ブレンド率)が圧倒的に高くなります。
マイクの向きや距離を一定に保つなど、PA設備(音響機器)と協力して演奏する客観性が必要です。
3. レコーディングやライブ配信
スマホの圧縮音源ではなく、「生の楽器、生の人の声」を届けたい。
でも、今の時代、レコーディングや配信に挑戦する機会も多いはず。
ここでは、部屋全体の豊かな響き(アンビエンス)よりも、
マイクに直接入る「あなたの声の芯」が重要になります。
完璧主義のプレッシャーから解放され、
マイクという高性能なフィルターを通じて、
あなたの「最初の1音」を探すような、終わりのない旅を楽しみましょう。
基本的なPA設備の知識も味方に
そして、マイクの使い方を覚える際にもう一つ重要なのが、
基本的なPA設備(ミキサー、アンプ、スピーカー)の知識です。
「音がどう使われているかを知る」のと同じように、
PA設備の仕組み(地図)を頭に入れておくと、
「なぜ今、この距離で歌うと、こんなにカッコよく聞こえるのか」
が理解できるようになります。
理論を学ぶのは「正しい音」を弾くためではありません。
あなたの心に浮かぶ「次の音」が、より自由に、
よりカッコよく響くための土台(キャンバス)を手に入れるためです。
サヴァサヴァのレッスンでは、
ただ歌い方や弾き方を教えるだけでなく、こうしたPA設備の使い方や、
あなたの時間を「芸術」に変えるための、
終わりのない音楽の旅を楽しんでいただけるようサポートしています。
インパクトは一瞬ですが、
こちらで身につけた「音を愛し、マイクという楽器を理解する心」は、
一生あなたの人生に残り続けます。
私たちと一緒に、あなただけの「本物の音」を鳴らす最高の贅沢を味わってみませんか?
野口 尚宏

