楽譜を置くと、自由になる。まずは3曲、「一生モノ」のレパートリーを

譜面台に楽譜を置かず、空を見上げて自由にピアノを弾く男性:暗譜で演奏する喜び

初めての場所に行く時、地図(楽譜)は絶対に必要です。
でも、毎日通う近所の散歩道で、
いちいち地図を広げる人はいませんよね?
周りの景色を見たり、空を見上げたりするはずです。

音楽も同じです。
いつまでも楽譜にかじりついている状態は、
足元の地図ばかり見て、美しい景色を見逃しているのと同じかもしれません。

楽譜がないと不安ですか?

「楽譜があれば弾けるけれど、取上げられたら何もできない」
これは、多くの学習者が抱える悩みです。
これは厳しい言い方をすれば、音楽を奏でているのではなく、
楽譜というデータを入力処理している状態に近いかもしれません。

「自分の曲」を持つということ

大切なのは、
「まずは数曲でいいので、
楽譜を一切見ずに弾ける曲(レパートリー)を作る」ということです。

膨大な曲数を覚える必要はありません。
たった1曲でも、2曲でもいい。
その代わり、その曲の「メロディ」と「コード進行(ハーモニー)」を、
そらで言えるくらい完全に頭と身体に染み込ませてください。

それができた時、その曲は作曲家のものではなく、
あなたの身体の一部、「あなたの曲」になります。

1. 耳と目が自由になる

楽譜から目が離れると、驚くほど自由になります。
共演者の顔を見たり、自分の指の動きを確認したり、
あるいは目を閉じて音の響きそのものに没頭したり。
「視覚情報」に頼らない分、「聴覚」が研ぎ澄まされ、
自分の出している音を本当の意味で聴くことができるようになります。

2. アレンジと即興への扉が開く

楽譜通りに弾く縛りから解放されると、
「今日は少しリズムを変えてみようかな」「ここのコードの響きを変えてみよう」
という遊び心が生まれます。

頭の中に曲の構造(コードとメロディ)が入っていれば、
いつでもどこでも、
その日の気分に合わせて曲を「着せ替える」ことができるのです。
これこそが即興演奏の第一歩です。

3. ストリートピアノでも怖くない

街角のピアノや、友人とのパーティ。
ふとした瞬間に「何か弾いてよ」と言われた時、
「あ、楽譜がないから無理」と断るのは寂しいですよね。
頭の中にレパートリーがあれば、いつでもどこでも、
その場を音楽で満たすことができます。
それはとてもカッコいいことです。

最初は怖いかもしれません。
途中で忘れて止まってしまうかもしれません。
それでも、勇気を出して譜面台から楽譜を降ろしてみましょう。

まずは大好きなあの1曲から。
楽譜という「紙」ではなく、
あなたの「心」に音楽を刻む作業を、
Music Space サヴァサヴァで始めませんか?

野口 尚宏