ジャズピアノ上達のカギは「幅広く聴くこと」|管楽器・ドラム・クラシックから学ぶ

暖かな光の部屋で、男性がピアノの前で目を閉じて聴き入り、周囲にトランペット・サックス・ドラム・クラシック楽譜の黄金のシンボルが漂い体に吸収される様子を描いた水彩アニメ風イラスト。下部中央に「聴く音楽の幅が、演奏の深さになる。」の白いテキスト。

ジャズピアノを弾きたいなら、ピアノだけを聴いてはいけない

ジャズピアノを学んでいる方に、
少し意外な話をさせてください。

上達したいなら、
ジャズピアノだけを聴いていては
もったいないのです。

「ピアノを弾きたいから、
ピアノの演奏を聴いて学ぶ」
というのは、自然な発想です。

でも、ジャズという音楽が
どこから来たのかを考えると、
その発想だけでは
見えてこないものがあります。

ジャズの成長を支えてきたのは、管楽器だった

ジャズの歴史を振り返ると、
その発展に大きく貢献してきたのは
管楽器です。

ルイ・アームストロングのトランペット。
コールマン・ホーキンスのテナーサックス。
チャーリー・パーカーのアルトサックス。
マイルス・デイヴィスのミュート・トランペット。

ジャズのフレーズの多くは、
管楽器の「息の使い方」から生まれています。

吹き始めの呼吸。
音と音の間の息継ぎ。
フレーズの終わりに向かう息の抜き方。

ジャズピアノで「歌うような演奏」と
言われるとき、
その「歌う」感覚は、
管楽器の息遣いから来ています。

管楽器を聴かずにジャズピアノを弾くのは、
文法を知らずに詩を書こうとするような
もどかしさがあります。

ドラムを聴くと、リズムの骨格が見えてくる

次に、ドラムを聴いてみてください。

ドラムを「リズムを刻む楽器」として
何となく聴き流している方は多いと思います。
でも、ドラムをしっかりと聴くと、
まったく違うものが見えてきます。

スネアの「2」と「4」の位置。
ハイハットの刻み方の微妙な揺れ。
シンバルのコンプレックスなリズムの中に
ある「ため」と「押し」。

これらを聴いていると、
ジャズのリズムの骨格が
体に入ってきます。

ジャズピアノでグルーヴが出ない、
スウィングしない、という方の多くは、
ドラムをまだ「本当には聴いていない」
状態にあることが多いです。

好きなジャズの演奏を聴くとき、
一度ドラムだけに集中して
聴いてみてください。
今まで聴こえていなかったものが
聴こえてきます。

クラシックピアノから学べること

もう一つ、聴いてほしい音楽があります。
クラシックピアノです。

「ジャズを学んでいるのに、
なぜクラシックを聴くのか」
と思う方もいるかもしれません。

でもクラシックピアノを聴いてみると、
ジャズとはまったく違う
タッチと音の鳴らし方があります。

グレン・グールドのバッハ。
ルービンシュタインのショパン。
ホロヴィッツのスカルラッティ。

一音一音への丁寧な向き合い方、
フレーズの歌い方、
音の粒の揃え方、
タッチの繊細さ。

これらは、ジャズピアノにも
直接応用できます。

「ジャズはジャズから、
クラシックはクラシックから」
と分けて考えるのではなく、
クラシックの美しいタッチを
ジャズの文脈で使う。

そのとき、あなたのジャズは
一段階深くなります。

幅広く聴くことが、なぜ大切なのか

人は、聴いたものしか弾けません。

これは少し厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、
本質的なことです。

頭の中に鳴っている音楽が、
そのまま指や声として出てきます。

だから、
頭の中の音楽が豊かであるほど、
出てくる音楽も豊かになります。

ジャズピアノだけを聴いていると、
頭の中に鳴る音楽が
ジャズピアノの範囲に収まります。

でも管楽器も聴き、
ドラムも聴き、
クラシックも聴いていると、
頭の中の音楽が立体的になっていきます。

その立体的な音楽が、
ピアノの前に座ったとき、
指から出てくるのです。

今日から始められる、幅広く聴くための小さな習慣

難しいことではありません。

今週はトランペットを一枚聴いてみる。
来週はドラムに集中して聴いてみる。
今月はクラシックピアノを
一曲だけ繰り返し聴いてみる。

それだけでいいのです。

「どこから聴けばいいかわからない」
という方は、
まずジャズの歴史的名盤から
始めてみてください。

マイルス・デイヴィスの「Kind of Blue」
ビル・エヴァンスの「Waltz for Debby」
クリフォード・ブラウンの「Study in Brown」

これらを聴くとき、
ピアノだけでなく、
他の楽器にも耳を向けてみてください。
今まで聴こえていなかった音楽の層が
聴こえてきます。

聴く耳を育てることが、演奏を育てる

サヴァサヴァのレッスンでは、
演奏の技術と同じくらい、
「聴く耳を育てること」を
大切にしています。

どんな音楽を聴けばいいか、
どう聴けばいいか、
一緒に考えながら進められます。

「ジャズピアノが上達しない」
「なんか自分の音が薄い気がする」
そう感じている方は、
聴き方を変えるだけで
大きく変わることがあります。

ぜひ一度、スタジオへ来てみてください。

Music Space サヴァサヴァ
  野口 尚宏

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