J-POPは「お菓子」に過ぎない。プロが「根っこ」を貪る理由

地上にはカラフルなお菓子のような果実(J-POP)が実り、地下には黄金色に輝く巨大な根(ジャズ・クラシック)が張っている木。その根元で大地に手を触れ、根からのエネルギーを吸収しようとするミュージシャンの姿

キャッチーなメロディ、共感できる歌詞、そして流行のサウンド。
J-POPは、誰にとっても食べやすく、
美味しく加工された「お菓子」や「果実」のようなものです。

それを摂取するのは楽しいことですが、
もしあなたがプロを目指すなら、あるいは一生音楽と付き合っていきたいなら、
それだけでは栄養が足りません。
なぜなら、その果実を実らせているのは、
土の中に隠れた巨大な根っこだからです。

クラシックの骨格、ジャズの筋肉

その「根っこ」とは、クラシックやジャズのことです。
J-POPのヒット曲を分解してみると、そのコード進行、
リズムの枠組み、アレンジの技法は、
すべてこれらの先人たちが築き上げた「音楽の共通言語」で構成されています。

  • クラシック: ハーモニーの構築、タッチのコントロール、強弱による表現力。
  • ジャズ: 複雑なリズムの解釈、テンションコードの色彩、即興的な対応力。

これらは、音楽家としての「基礎体力」であり、表現の引き出しを増やす「語彙力」そのものです。

10年後も弾ける人でいるために

表面的な流行(果実)だけを追いかけているプレイヤーは、
ブームが去れば枯れてしまいます。
しかし、根っこ(ルーツ)から栄養を吸収しているプレイヤーは違います。

彼らは、時代が変わっても「なぜその音楽が心地よいのか」という本質を知っているため、
どんなジャンルの音楽が来ても対応でき、
自らの色を加えて生き残ることができるのです。

美味しい果実(J-POP)を味わうのは素晴らしいことです。
でも、時々は土を掘り返して、
泥臭い根っこ(ジャズやクラシック)を齧ってみてください。
最初は苦く感じるかもしれませんが、その滋味深い栄養こそが、
あなたの音楽を太く、強く育ててくれるはずです。

野口 尚宏