ジャズスタンダードは、白紙に描く恐怖じゃない。美しい素材を「組み立てる」楽しみ。

温かみのある水彩画風のイラスト。アンティークな音楽スタジオで、ピアニストまたはボーカリストが、「Dm7」「G7」といったコード記号やメロディの断片が書かれた、美しく光る音楽のパズルピース(ビルディングブロック)を手に取り、組み立てている様子。白紙に描く恐怖ではなく、与えられた素材を組み立てる楽しみを表現している。画像下部には「ジャズスタンダードは、音を組み立てる楽しみ。」というテキストが書かれている。

「自由にアドリブをしてみたい」
「自分だけの響きを見つけたい」
そう願ってジャズピアノや洋楽ボーカルのドアを叩く大人の方は、
同時に「ゼロから何かを生み出さなきゃいけない」
という強いプレッシャーを感じていることが多いようです。

もしあなたが、まっさらな白紙を前に
「何を描けばいいかわからない……」と立ちすくんでしまっているとしたら、
どうかそのプレッシャーを手放してください。

おっしゃる通り、ジャズスタンダードを演奏するということは、
全くの白紙から音楽を作るわけではありません。
ジャズスタンダードという、
すでに完璧なまでに完成された「与えられた曲の素材」を使って、
自分だけの音を組み立てていく。
それはゼロからの創造ではなく、
用意された美しい宝物をどう並べて、
どう輝かせるかという「発見」の冒険なのです。

ジャズスタンダードとは、1930年代から50年代にかけての、
アメリカのミュージカルや映画音楽の美しいメロディとコード進行のことです。

これらの曲は、いわば音楽という広大な世界に元々存在している、
完璧な形をしたパズルのピースのようなものです。
メロディという美しい色と、コード進行(ハーモニー)という強固な土台。
これらはすでにそこにあります。

「よし、今日はこのピース(素材)を使って、どんな景色を作ろうか?」

あなたは冒険者であり、パズルを組み立てる人です。
元々ある美しいピースを自分自身の心と身体という
フィルターを通して並べ、響かせていく。
上手い下手や、新しいフレーズをひねり出すことではなく、
すでにある素材を心から楽しむこと。
それこそが、ジャズスタンダードを演奏する本当の喜びなのです。

岸和田にあるMusic Space サヴァサヴァでは、
難解な理論であなたを縛ることはいたしません。

時間がかかってもいいのです。
一つひとつのコード(II-V進行)やメロディが持つ、
元々そこにある響きの美しさを、
一緒に「実験」するように味わってみませんか?

「この素材(コード進行)なら、私はこういう風に組み立てたい」

白紙に描く恐怖を手放し、
与えられた素材をどう組み立てるか、
どう調理するかという新しい視点を持てたとき。
あなたの音楽はプレッシャーから解放され、
頭の中でイメージした響きを、
自由に鍵盤や声に乗せることができるようになります。

あなたの中にある、元々そこにある美しい宝物を、
スタジオで一緒に掘り起こしてみませんか?

野口 尚宏