左手は「3と7」だけでいい。ジャズピアノが劇的に変わる、魔法の分担

左手は青く安定した光(骨格)、右手は黄金の光(彩り)を放ちながら演奏するピアノの手元:ジャズピアノの役割分担

「コードネームを見ると、
ついルートから全部の音を弾きたくなってしまう」
クラシックピアノ出身の方に多い悩みですが、
ジャズにおいてそれは「弾きすぎ」になりがちです。

ジャズピアノの響きをお洒落にするコツ。
それは、「左手と右手の仕事を完全に分けること」にあります。

3度と7度があれば、コードは響く

まずは左手です。
ルート(1度)はベース奏者に任せてしまいましょう。
ピアノの左手が弾くべき最も重要な音は、
「3度」と「7度」の2つだけです。

  • 3度: メジャーかマイナーか(明るいか暗いか)を決める
  • 7度: どんな響きか(大人っぽいか、切ないか)を決める

この2音は「ガイドトーン」と呼ばれ、コードの骨格です。
これさえ鳴っていれば、他の音がなくても曲として成立します。

1度・5度から、3・5・7・9へ

左手で骨格ができているので、右手は自由です。
最初は安定感のある「1度と5度」を弾いてみましょう。
これだけでも十分綺麗ですが、
慣れてきたらご指摘の通り、
「3・5・7・9」の音使いに挑戦してみてください。

特に「9(ナインス)」の音が入ることで、
響きに独特の「浮遊感」と「きらめき」が生まれます。
左手がしっかり土台(現実)を支えているからこそ、
右手は少し空に浮いたようなお洒落な音(理想)を奏でることができるのです。

この奏法の最大のメリットは、「考えることが減る」ことです。
「左手は3と7」と決めてしまえば、
脳の容量を「右手のメロディやアドリブ」に集中させることができます。

結果として、指が迷うことなく動き、
ジャズ特有の流れるようなアドリブ展開が生まれるのです。

「左手は骨格、右手は彩り」
この役割分担ができると、ピアノはもっと自由に歌い出します。
まずはシンプルな「3と7」から、あなたのジャズを始めてみましょう。

野口 尚宏