自分を客観的に見る力をジャズで磨く|即興が育てるメタ認知

暖かな光の部屋で、男性がピアノに没頭して演奏する背後に、その姿を静かに観察するもう一人の半透明の自分が描かれた水彩アニメ風イラスト。二人を黄金の糸が繋ぎ、下部中央に「音を出す自分を、聴いている自分がいる。」の白いテキスト。

「弾いている自分」と「聴いている自分」

ジャズの即興演奏をしているとき、
演奏者の中では
不思議なことが起きています。

「今まさに音を出している自分」がいる。
それと同時に、
「その音を少し離れたところから聴いている自分」も
いるのです。

出した音を聴いて、
「今のは良かった」
「少し違う方向に行った」と
瞬時に判断している自分。

演奏に没頭しながらも、
どこか一歩引いて
自分を見ている感覚。

これは、
「自分を客観的に見る力」そのものです。

そしてこの力は、
ジャズを続けることで
着実に磨かれていきます。

「メタ認知」という力

自分を客観的に見る力は、
心理学では「メタ認知」と
呼ばれています。

「認知していることを、認知する」
という意味です。

簡単に言えば、
「今、自分は何をしているか」
「今、自分はどう感じているか」を
一歩引いて眺める力です。

この力が高い人は、
感情に流されにくく、
状況を冷静に判断できます。

怒りそうになったとき、
「あ、今自分は怒っているな」と気づける。
焦っているとき、
「今、焦っているな」と一歩引ける。

気づけるからこそ、
その感情に飲み込まれずに済む。

これは、人生を生きていく上で
とても大切な力です。

即興演奏は、メタ認知の連続

ジャズの即興演奏は、
このメタ認知を
絶え間なく使う行為です。

音を出す。
その音を聴く。
「今の音は、この流れに合っているか」
と判断する。
次の音を選ぶ。

この「出す→聴く→判断する→また出す」という
サイクルが、
演奏中ずっと高速で回っています。

楽譜通りに弾く演奏では、
これほど客観性は求められません。
書いてある通りに弾けばいいからです。

でも即興では、
正解が用意されていません。
だから、自分で自分の音を聴いて、
その場で評価し続けるしかない。

この訓練が、
自分を客観視する力を
鍛えていくのです。

「没頭」と「客観」が同時に起きる不思議

ここに、ジャズの面白さがあります。

普通、「没頭する」ことと
「客観的に見る」ことは、
相反するように思えます。

何かに夢中になっているときは、
自分を見失っている。
冷静に見ているときは、
没頭できていない。

でも、優れた即興演奏では、
この二つが同時に起きています。

音楽に深く没頭しながら、
同時に一歩引いて
自分を見ている。

感情を解放しながら、
同時に冷静に判断している。

この「熱さ」と「冷静さ」の
絶妙なバランスこそが、
即興演奏の醍醐味であり、
同時に人生にも応用できる
貴重な感覚です。

他者の音を聴くことも、自分を映す鏡になる

セッションで誰かと演奏するとき、
もう一つの客観視が生まれます。

相手の音を聴きながら、
その中で自分の音がどう響いているかを
感じ取る。

「自分は今、出しゃばりすぎていないか」
「逆に、引っ込みすぎていないか」
「全体の中で、自分の音は
どんな役割を果たしているか」

他者との関係の中で、
自分の立ち位置を客観的に見る。

これは、まさに
人間関係の中で求められる力です。

集団の中で、
自分がどう振る舞っているかを
俯瞰して見られる人は、
周りとうまく調和できます。

セッションは、
その感覚を音楽を通じて
体で学べる場所です。

客観視できる人は、成長が早い

自分を客観的に見られる人は、
音楽の上達も早い傾向があります。

なぜなら、
「今の自分に何が足りないか」を
自分で把握できるからです。

客観視ができないと、
「なんとなく上手くいかない」
という漠然とした感覚のまま、
迷い続けてしまいます。

でも客観視ができると、
「ここのリズムが甘い」
「この音の選び方に癖がある」と、
具体的に課題が見えてきます。

課題が見えれば、
次の一歩が決まります。

そして、この「自分の課題を
自分で見つける力」は、
音楽だけでなく、
仕事でも、人生でも、
成長のエンジンになります。

自分を客観的に見る力を、音楽で育てませんか

自分を客観的に見るのが苦手だと
感じている方も、
心配はいりません。

この力は、生まれつきのものではなく、
訓練で育てられるものです。

そして、ジャズの即興演奏やセッションは、
その訓練に最適な場所です。

ただ、一人で演奏していると、
自分の音を客観的に聴くのは
意外と難しいものです。
「今の自分の音はどうだったか」を
一緒に振り返ってくれる人がいると、
客観視する力は一気に育ちやすくなります。

サヴァサヴァでは、
あなた自身が自分の音を聴き、
客観的に捉えられるようになる
レッスンを大切にしています。

音楽を通じて、
自分を見つめる新しい目を
一緒に育てていきませんか。

Music Space サヴァサヴァ
  野口 尚宏

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