なぜジャズは流行らないのか。どうすれば開かれるのか。

暖かな光のジャズ空間で、扉の外から中を覗く初心者の女性に、ピアノを弾く女性が温かく微笑んで招き入れる水彩アニメ風イラスト。黄金の音の波が扉の外の女性を包み込むように流れ、下部中央に「ジャズの扉は、あなたにも開いている。」の白いテキスト。

「ジャズを聴いてみたいけど、なんとなく入りにくい」

ジャズに興味はある。
おしゃれだし、かっこいい。
聴いてみたい気持ちはある。

でも、なんとなく入りにくい。

そう感じている方は、
とても多いと思います。

ライブに行っても、
常連さんばかりで
アウェイな空気を感じてしまう。
何がすごいのか、
どう楽しめばいいのかわからない。

その「入りにくさ」は、
あなたの感性のせいではありません。

実は、ジャズという音楽が
置かれている状況そのものに、
理由があるのです。

ジャズは、なぜ「遠い音楽」になったのか

かつてジャズは、
もっと身近な音楽でした。

酒場で流れ、
ダンスホールで踊られ、
街の暮らしの中に
当たり前にありました。

難しい知識など、
誰も必要としていませんでした。
ただ、その場を楽しむ。
それがジャズでした。

でも、時代とともに、
ジャズは少しずつ
「わかる人のための音楽」に
なっていきました。

技術が高度になり、
理論が複雑になり、
詳しい人たちの世界へと
入り込んでいった。

その結果、
初めての人にとっては
近寄りがたい音楽に
なってしまったのです。

「身内で完結する場」が増えている

もう一つ、正直な話をします。

今、音楽の現場には、
「身内で完結する場」が
増えていると感じます。

仲の良いメンバーで集まって、
好きな曲を演奏する。
お互いを称え合い、
楽しい時間を過ごす。

これ自体は、
とても素敵なことです。
音楽を愛する仲間との時間は、
かけがえのないものです。

でも、そこで完結してしまうと、
新しい人が入る隙間が
なくなってしまいます。

初めて来た人が、
「自分はここにいていいのだろうか」と
感じてしまう。

そういう空気が積み重なって、
ジャズは
「開かれていない音楽」という
印象を持たれるようになりました。

「わからないのは、聴き手のせい」ではない

ときどき、こういう声を聞きます。

「ジャズが流行らないのは、
本物の良さがわからない
今の人たちのせいだ」

でも、私はそうは思いません。

音楽が届かないのを
聴き手のせいにしてしまうと、
そこで扉は完全に閉じます。

本当に問われるべきは、
「どうすれば、
まだ知らない人に届くか」
という送り手側の姿勢です。

あなたが「入りにくい」と
感じたのだとしたら、
それは送り手側が
扉を開ききれていなかったから。

あなたが引け目を感じる必要は、
まったくないのです。

ジャズの醍醐味は、実はとてもシンプル

難しく語られがちなジャズですが、
その醍醐味は
実はとてもシンプルです。

ジャズの演奏は、
その日、その場所、
その瞬間にしか生まれません。

同じ曲でも、
お客さんの雰囲気、
その日の空気、
演奏者の気分で、
まったく違う音楽になります。

二度と同じ演奏は生まれない。
今、目の前で起きていることは、
今しか聴けない。

この「一回性」こそが、
ジャズの一番の魅力です。

理論がわからなくても、
この「今しかない感じ」は、
誰にでも感じ取れます。

むしろ、
初めての人の新鮮な耳の方が、
その瞬間を
まっすぐ受け取れることもあります。

「わかる」より、「感じる」でいい

ジャズを聴くとき、
「理解しよう」と
力む必要はありません。

「今の演奏、なんか良かった」
「この瞬間、ぞくっとした」

それで、十分です。

ジャズは、頭で分析する音楽ではなく、
その場で感じる音楽です。

「わかる人」だけのものにしてしまったのは、
ジャズを難しく語りすぎた
大人たちの側です。

本来のジャズは、
もっと感覚的で、
もっと自由なものです。

あなたが感じたことに、
間違いはありません。

どうすれば、ジャズは開かれるのか

ジャズが再び開かれた音楽になるために、
必要なことはシンプルだと思います。

送り手が、
扉を開くこと。

初めての人を歓迎し、
専門用語で煙に巻かず、
「一緒に楽しみましょう」と
手を差し出すこと。

そして、聴き手も、
「わからないから」と
身構えないこと。

その両方が出会ったとき、
ジャズはまた、
街の暮らしの中に
戻ってくるはずです。

ジャズは、一部の人のものではありません。
もともと、みんなのものでした。
そして、これからも
そうあるべきだと思います。

その最初の一歩を、ここで

「ジャズを聴いてみたいけど、入りにくい」
そう感じてきた方へ。

サヴァサヴァに来られる方の
ほとんどは、ジャズ初心者です。
レッスンを受けてから
ジャズを好きになった方ばかりです。

専門知識も、
身構える気持ちも要りません。

ここは、
ジャズの扉を開けたままにして、
あなたが来るのを
待っている場所です。

聴くだけでも、
やってみるのでも構いません。

あなたにとってのジャズを、
ここから見つけていきませんか。

Music Space サヴァサヴァ
   野口 尚宏

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