録音した声は、なぜ「変」なのか?
初めて自分の声を録音して聴いた時、
「えっ、私ってこんな声なの?」と
ショックを受けた経験は誰にでもあるはずです。
でも、安心してください。
それはあなたの声が悪いからではありません。
普段、あなたが聞いている自分の声は、
骨を伝わって響く「骨伝導」の音が混ざっているため、低く太く聞こえています。
一方、録音された声は、空気を伝わって相手に届く「空気伝導」の音(客観的な声)です。
このギャップに驚くのは当然のこと。
むしろ、この「客観的な自分の声」と向き合うことこそが、
ボーカル上達の、そして自分を知る面白さのスタートラインなのです。
身体という「洞窟」を探検する
声はどこで響いている?
ボイストレーニングの醍醐味は、自分の身体を楽器として扱い、
その響きをコントロールすることにあります。
「声を頭のてっぺんに当ててみよう」
「胸の奥を震わせてみよう」
少し意識を変えるだけで、声色は驚くほど多彩に変化します。
それはまるで、自分の身体という未知の洞窟を探検し、
「あ、ここはこんな風に響くんだ!」という隠しスイッチを見つけていくような、
パズルのような面白さがあります。
「いい声」の定義は一つじゃない
あなただけの音色(トーン)を見つける
多くの人は「プロのような綺麗な声」や「高い声」を目指そうとします。
しかし、ジャズやポップスにおいて最も価値があるのは、
「その人にしか出せない声(ユニークさ)」です。
少しハスキーだったり、鼻にかかっていたり。
コンプレックスだと思っていたその特徴こそが、
マイクを通すと唯一無二の魅力的な「成分」に変わることがよくあります。
自分の声を知るということは、欠点を直す作業ではなく、
「自分だけの武器」を発掘する作業なのです。
自分の声で遊ぶ
食わず嫌いをせずに、
まずは自分の声をよく聴いて、遊んでみてください。
「私の中に、こんな音が眠っていたんだ」。
その発見は、きっとあなたの音楽人生を
より豊かで楽しいものに変えてくれます。
Music Space サヴァサヴァで、
あなただけの「本当の声」を一緒に探してみませんか?
野口 尚宏

