英語が苦手でも英語の歌が歌える理由

英語の歌を歌うやさしい声の響きを描いた水彩ボーカルイラスト

「英語の発音に自信がありません」
「英語がうまく読めなくて…」
そう言って歌う前から苦手意識を持ってしまう方は多いです。

でも実は、
英語が苦手でも英語の歌は普通に歌えるようになります。

歌うために必要なのは、
教科書のようなきれいな発音ではなく、
“音の流れ” をつかむこと だからです。


英語の歌の大きな特徴は、
発音の正確さより、リズムの流れが優先される
という点です。

英語は「音のまとまり」で聞こえている

ネイティブが英語を話していると、
単語を一つずつ発音しているようには聞こえません。

  • くっつく(linking)
  • 抜ける(弱形)
  • 流れる(リエゾン)

つまり、
“英語は歌のように聞こえる” 言語なのです。

だからこそ、
歌は英語を学ぶ上で一番入りやすいのです。

① メロディが道案内をしてくれる

音程とリズムが “どこで区切るか” を教えてくれます。

② 歌詞が固定されている

文法を考えなくていい。覚えるだけでいい。

③ 英語は“音がつながる”ので歌いやすい

英語は音が連続して聞こえるため、
一音ずつ発音する日本語よりも メロディに乗りやすい言語 です。
発音が完璧でなくても流れで歌えます。

④ ネイティブのような発音でなくていい

“歌える英語” と “話す英語” は別物です。
歌は「伝える英語」であり、正確さより 流れ が大切です。


20代より50代の方が
英語の歌を早く覚えることも多いです。

理由① 生活経験の深さで歌詞を感じ取れる

意味の背景が心に入りやすい。

理由② 日本語とのリズムの違いが理解できる

大人の方が“違い”に気づきやすい。

理由③ 弱い音・間を大事にできる

英語の“抜く発音”は、大人の静けさと相性がいい。


サヴァサヴァがずっと提案している
“英語歌詞をラップのように読む練習” は、
実は非常に理にかなっています。

英語はアクセント言語

  • 強い音
  • 弱い音
  • 音の上下
  • リズムのまとまり

これを先に身体でつかむと、
歌はすぐに変わります。

英語の歌は「読めてなくても歌える」
と言われるのは、このためです。


ジャズは 言葉を音楽にする 文化。

  • ためる
  • 抜く
  • 装飾する
  • ずらす
  • 声色を変える

発音が完璧でなくても、
“音として美しいかどうか” が最も大切です。

ジャズは“英語が下手でも音楽が上手い”が成立する

むしろ、
日本人のていねいな発音が
ジャズ特有のニュアンスに変わることさえあります。

ジャズは、
英語の下手さを“味”に変える音楽です。


むしろ、英語が苦手だから歌えることもある。

英語の歌は、
語学のテストでも、
発音の正確さを競う場でもありません。

大切なのは、
あなたの声で英語の“流れ”を感じること。

それだけで、
歌は自然に英語を受け入れてくれます。

英語が苦手な人でも、
英語の歌は必ず歌えるようになります。

あなたの声は、
すでにその準備ができています。

野口 尚宏