思いを「音」にするために英語のリズムとジャズを学ぶ理由

思いを音にするイメージを描いたピアノとマイクの抽象イラスト

Music Space サヴァサヴァでは、
生徒さん一人ひとりが胸の中に持っている“思い”を、
音楽として形にしていくお手伝いを大切にしています。

音やメロディは
技術だけでなく、
その人自身の心の動きや景色 を映し出します。

表現のために特別な才能が必要なわけではありません。
静かに心と向き合い、自分の声を確かめていく時間こそが、
音楽を豊かにしていくのだと思います。


① 感情がメロディに流れ込みやすい理由

英語には “音として” の母音が多く、
響きの幅や抑揚の変化がとても豊かです。

そのため、
声のニュアンスがメロディへ自然に連動し、
感情がリズムに乗りやすい
という特徴があります。

英語の歌が、心の動きをそのまま表現しやすいのは
この“声の柔らかい構造”によるものです。

② “リズム先行”で感情が出やすい

英語の歌は

  • リズム
  • 言葉
  • 抑揚
  • アクセント

がひとつにつながっています。

思いを言葉にするより先に、
感情 → リズム → メロディ
という方向で表現が生まれやすいのが特徴です。

ジャズスタンダードには、
英語の歌詞の情報量が多すぎない という特徴があります。
そのため、英語に不慣れな方でもリズムや響きに親しみやすく、
声のニュアンスを自然に感じ取れる曲が多いのです。

そして何より、
長い年月をかけて受け継がれてきた
普遍のメロディとコード進行 があり、
感情を素直に音へと変えていくための
“最良の素材” といえる存在です。

ジャズスタンダードを通して、
自分の思いと音楽が静かにつながり始める瞬間があります。

① コードの“色”が感情を導く

コードにはそれぞれ
明るさ/切なさ/静けさ/躍動
といった 感情のニュアンス(色) が存在します。

この色の違いを知ることで、
自分の気持ちに合った音を自然に選べるようになります。

② リズムの深さが表現を広げる

ジャズには
裏拍の揺れ、間の取り方、重心の置き方
といった繊細なニュアンスがあります。

これらが理解できるほど、
心の“タイミング”が曲に流れ込み、
独自の表現が生まれます。

③ 聴く力が育つと、音は自然に生まれる

音楽で最も大切なのは、
聴く力(グッドリスナー) です。

自分の音、相手の音、空気の変化を聴くことができると、
感情に合ったメロディが自然に浮かびます。


AIが作曲し、歌声を生成できる時代になりました。
しかしどれだけ技術が進んでも、
心の揺れ・誠実さ・静けさ・息づかい
など、人が生きて感じる要素までは再現できません。

思いを形にするレッスンは、
音楽的な成長だけでなく、
自分自身の声と向き合う生き方 につながります。

大切な人へ思いを届けるために。
自分の心を確かめるために。
そして、人生の揺れをそっと音にのせるために。

ここから、あなただけの音が生まれていきます。

野口 尚宏