「プロ向き」と「趣味向き」に違いはない。変えるのは「熱量」だけ。

黄金色の朝日に照らされた山道で、大きな楽器を背負ったプロの音楽家と、笑顔のアマチュア音楽家が同じ頂上を目指して歩いている様子:プロとアマの方向性は同じ

「趣味で楽しみたいだけなので、難しいことは抜きで…」
そう言われることがありますが、私は「難しいこと(本質)」を抜きにして、
本当の意味で音楽を楽しむことはできないと考えています。

「プロ用」と「アマチュア用」の二つの登山口があるわけではありません。
音楽という山は一つであり、頂上へのルートも一つです。

物理法則は誰にでも平等

プロフェッショナルは、
その道に人生の全て(膨大な時間と熱量)を捧げて、
駆け足で山を登っていきます。
アマチュアは、仕事や生活の合間を縫って、
景色を楽しみながら一歩ずつ登っていきます。

この二者に違いがあるとしたら、
それは「登るスピード(かける時間)」と「荷物の重さ(背負う覚悟)」だけです。
「足の出し方」や「呼吸の仕方」といった、登るための技術(メソッド)は、
プロもアマも全く同じであるべきなのです。

趣味だからこそ、本物を

「趣味の人には適当に教えておけばいい」と考えるのは、
生徒さんの情熱に対する冒涜です。
たとえゆっくりでも、プロと同じ「正しいフォーム」で歩けば、
必ず高い場所へ行けます。
逆に、アマチュア用のごまかしのテクニック(偽の近道)を教えてしまえば、
すぐに行き止まりに突き当たってしまいます。

私は教える立場として、あなたを「素人」扱いしません。
一人の「音楽家」としてリスペクトし、プロと同じ本質の種をお渡しします。

あなたが週に一度しか練習できなくても、
その一時間はプロと同じ「真北」を向いて進みましょう。
進む距離は短くても、
その一歩の「質」は、プロと対等であることができるのですから。

野口 尚宏