「知らない」は恥じゃない。それは未来に残された「楽しみ」です

音楽家が広大な空白の地図(未開拓のエリア)を前にして、不安ではなくワクワクした笑顔でその光の中へ踏み出そうとしている様子:未知を楽しむ心

大人になると、つい「知らない」と言うのが怖くなります。
「この曲知ってる?」「あのコード進行がさ…」 そんな会話の中で、
話を合わせて相槌を打ってしまう。
誰にでも経験があることでしょう。

でも、音楽において「知らない」ことは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、それは「羨ましいこと」なのです。

ベテランが初心者に嫉妬する理由

長く音楽をやっている人が、初心者を羨ましく思う瞬間があります。
それは、「あの名曲を初めて聴いた時の衝撃」や
「初めてアドリブが通じた時の感動」を、
これから体験できるからです。

知ってしまえば、それは「知識」になりますが、
知らなければ、それは「未来への楽しみ(未開封のプレゼント)」です。
「まだビートルズをちゃんと聴いたことがないの?
いいなぁ!これからあの感動を味わえるなんて!」 これこそが、
音楽好きの正しい反応なのです。

楽しみに終わりはない

世界中のすべての音楽を知っている人など、
この世に一人もいません。
プロのミュージシャンでさえ、毎日新しい発見をし、
自分の無知を知り、目を輝かせています。

「自分はまだこれしか知らない」と嘆くのではなく、
「まだこんなにも楽しいことが残っている」と考えてみてください。
その瞬間、あなたの目の前には、
冒険しがいのある広大な「空白の地図」が広がります。

今日から堂々と「知らない!教えて!」と言ってみましょう。
その言葉は、あなたの音楽の世界を広げる、魔法の呪文になるはずです。
そして教える側もまた、あなたの新鮮な反応を見て、
かつての感動を思い出すことができるのですから。

野口 尚宏