導入:指揮者に従うか、自分たちで決めるか
「強烈なリーダーシップでグイグイ引っ張る組織」
「メンバー一人ひとりが自分で考えて動く組織」
どちらが優れているかという議論は尽きません。
音楽の世界に例えるなら、
前者は「オーケストラ」、後者は「ジャズコンボ」です。
しかし、現代のような激動の時代において、
正解はその「どちらか」ではなく、
「両方のいいとこ取り」にあるのではないでしょうか。
譜面通りの「美しさ」と、即興の「強さ」
オーケストラの機能美
オーケストラ型(管理型)の強みは、
圧倒的なパワーと統一感です。
全員が同じ「譜面(ビジョン)」を共有し、
指揮者の合図で一糸乱れぬ動きをする。
目標が明確で、効率よく大規模なプロジェクトを進める時には、
このスタイルが最強です。
ジャズの生存本能
一方、ジャズ型(自律型)の強みは、変化への対応力です。
ハプニングが起きても、誰かがミスをしても、
瞬時に周りが反応して新しい展開を作る。
先の見えない状況や、
新しい価値を生み出す時には、この「個の判断」が組織を救います。
目指すべきは「指揮者のいるジャズバンド」
モードを切り替える柔軟性
現代の組織に必要なのは、この2つのモードを「行ったり来たりする能力」です。
- 平常時や基盤作り: オーケストラのように、規律と役割分担を徹底する。
- トラブル発生時や新規事業: ジャズのように、指揮棒を置いて現場の即興力に委ねる。
優れたリーダーとは、今がどちらの演奏スタイルを求められているかを見極められる人です。
そして優れたメンバーとは、ソロ(主張)を取りつつも、
全体のハーモニー(協調)を壊さないバランス感覚を持った人です。
オーケストラとジャズのグラデーション
「規律」か「自由」か、0か100かで悩む必要はありません。
大切なのは、確固たる基礎(オーケストラ)の上で、自由に遊ぶ(ジャズ)こと。
そのグラデーションの中にこそ、変化に負けないしなやかな組織の姿があります。
野口 尚宏

