音楽は、たった「12音」でできている。無限の迷路を抜ける地図

12個の音符が刻まれた時計のような羅針盤の前に立つミュージシャン。限られた12音から、リズムという光の波を引き出し、無限の音楽を紡ぎ出している様子:音楽の構造はシンプルである

「コードを覚えるのが辛い」「スケールが無限にあって無理」
音楽理論を学び始めた時、
その膨大な量に圧倒されそうになることがあります。

しかし、落ち着いて鍵盤を見てください。
そこには、白鍵と黒鍵を合わせて、たった「12個」の音しかありません。
バッハも、ビートルズも、最新のヒット曲も、
すべてこの「たった12個の音」で作られているのです。

12 × 4 の基本さえあればいい

「音楽は無限だ」と言われますが、構造自体は驚くほど数学的で有限です。

  • 音の数: 12個
  • 調(キー): メジャーとマイナーで、ほぼ24パターン(厳密にはマイナーキーのスケールは3種類ありますが)
  • 基本コード: 「メジャーセブンス」「マイナーセブンス」「マイナーセブンス」「マイナーセブンスフラットファイブ」の4種類 × 12音 (オーギュメントコードやディミニッシュコードはまずこの4種類を覚えてからです)

まずはこれだけ。
複雑に見えるテンションコードや代理コードも、
この「基本の組み合わせ」から派生しているに過ぎません。
「覚えるべきことは限られている」と知るだけで、心はずっと軽くなるはずです。

12音に命を吹き込むもの

では、なぜたった12音から無限の名曲が生まれるのでしょうか?
それは、そこに「タイム感覚(リズム)」が加わるからです。

素晴らしいフレーズやメロディは、
難しい音を使っているからカッコいいのではありません。
「どのタイミングで出すか」「どれくらいの長さで切るか」という、
リズムのアプローチが優れているからカッコいいのです。

音選びに迷ったら、思い出してください。
使える材料は12個だけ。
どれを選んでも間違いではありません。
あとは、その音をどう配置するか、どんなリズムで歌わせるか。
そこにこそ、あなたのセンスとインスピレーションが宿るのです。

野口 尚宏