ド、ミ、ソ…と数えていませんか?
新しい曲の楽譜を開いたとき。
「えーっと、これは下から2番目の線だからソ…次は…ラ…」と、
一つひとつの音符の住所を確認するように読んでいませんか?
これでは、まるで本を読むときに一文字ずつ
「こ、ん、に、ち、は」と拾っているようなもの。
内容も頭に入ってこないですし、何より疲れてしまいますよね。
楽譜をスラスラ読み、音楽的に弾くためのコツ。
それは「点」ではなく「線」で見ることです。
音符は「折れ線グラフ」である
高さを読むな、動きを読め
私たちが楽譜を読むとき、本当に大切なのは「その音が五線のどこにあるか(絶対的な高さ)」よりも、「前の音からどう動いたか(相対的な動き)」です。
- 一つ上がったのか(階段)
- 大きく下がったのか(ジャンプ)
- 同じ高さを維持しているのか
このように、音符の並びを「折れ線グラフ」のように捉えてみてください。
「ド・レ・ミ・ファ・ソ」と読むのではなく、
「右上がりの直線だな」と形(シェイプ)で認識するのです。
視覚的な「パターン」として認識する
この「グラフ読み」に慣れてくると、
脳はいちいち音名を特定しなくなります。
「あ、この山なりの形は指をこう動かすパターンだ」
「このギザギザした形は、アルペジオ(分散和音)だ」
というように、視覚的な図形として瞬時に反応できるようになります。
これが、初見演奏が得意な人の頭の中で起きていることです。
フレーズを「文章」として読む
文字ではなく単語、単語ではなく文
あなたが今、このコラムを読めているのは、
文字を一字ずつ追っているのではなく、
「単語」や「文節」の塊として捉えているからです。
音楽も同じです。
1音1音は「文字」に過ぎませんが、
それが繋がると「単語(モチーフ)」になり、
さらには「文章(フレーズ)」になります。
音符のつながりを「線」として捉えられるようになると、
「ここからここまでが1つのセンテンス(言いたいこと)だな」
というまとまりが見えてきます。
息の長い演奏へ
「点」で読んでいる人の演奏は、
どうしてもブツブツと途切れがちです。
しかし、「線」や「文章」として捉えられるようになると、
自然と「フレーズの歌い方」が変わります。
言葉を話すように、滑らかで、抑揚のある演奏。
それは、楽譜への目の付け所を変えるだけで、
誰でも手に入れることができるのです。
音符と音符の繋がりを見る
今日から楽譜を見る時は、
音符の「黒い玉」を見るのではなく、
音符と音符を結ぶ「見えない線」を意識してみてください。
その線が描く波やカーブが見えたとき、
あなたのピアノは「解読」から「表現」へと変わります。
Music Space サヴァサヴァで、その新しい景色を一緒に楽しみましょう。
野口 尚宏

