🎶 ピアノの音には“心”が宿る
ピアノは、鍵盤を押せば誰でも音が鳴る楽器です。
しかし、同じ鍵盤でも、人によってまったく違う音が生まれます。
それは指先を通して“心の動き”が音に伝わるからです。
ピアノの音色は、声と同じように感情を語ります。
嬉しい時は明るく軽やかに、悲しい時は深く柔らかく。
その人の今の気持ちが、無意識のうちに音に映し出されるのです。
🎹 “強弱”ではなく“温度”を伝えるタッチ
多くの人は「強く弾く」「弱く弾く」で表現しようとしますが、
本当に大切なのは、どんな温度で音を出すかという感覚です。
冷たい音も、温かい音も、同じ鍵盤から生まれます。
それを決めるのは、タッチの質と心の状態です。
声で言えば、ささやき・微笑み・祈り──
ピアノの音も同じように、心の動きを指先で伝えることができます。
🌱 “歌うように弾く”ということ
「ピアノは歌うように弾きなさい」と言われることがあります。
それは、メロディを“声”のように感じることを意味しています。
鍵盤の上の音符をただ並べるのではなく、
一音一音に息を吹きかけるように弾く。
フレーズの流れを“歌うように”感じることで、音が自然に語り始めます。
ピアノは打鍵の楽器でありながら、
感情を“響き”として伝えられる最も繊細な楽器です。
🌷 当教室でのアプローチ
当教室では、音を強く出すよりも、
“どんな音を出したいか”を感じ取ることを重視しています。
生徒さんには、ただ鍵盤を押すのではなく、
「音をどう響かせたいか」「どう感じてほしいか」を考えてもらいます。
それだけで、音の深みがまったく変わります。
ピアノは指で弾く楽器ではなく、心で響かせる楽器です。
ピアノの音色は“心の鏡”
ピアノの音は、言葉よりも正直です。
その日の気持ち、体調、心の状態──すべてが音に表れます。
だからこそ、上手く弾こうとする前に、
“どんな気持ちで音を出したいか”を感じることが大切です。
ピアノは、あなたの心を映す“もう一つの声”。
その音色で、静かに語りかけてみてください。
野口 尚宏

