前に習ったときは、合わなかった
以前どこかで習っていたけれど、
続かなかった。
そういう方は、
珍しくありません。
言われた通りにやってみたけれど、
手応えがなかった。
質問しても、
同じ説明が返ってくるだけだった。
自分には向いていないのだと
思ってしまった。
その経験があると、
また習うことに
慎重になると思います。
ですので、
当教室でやっていることが
どうやってできてきたのかを
書いておきます。
教える内容は、最初から持っていたものではありません
正直に書きます。
今お伝えしている内容は、
最初から手元にあったものでは
ありません。
始めた頃は、
自分が教わってきたことを
そのまま渡していました。
ところが、
同じことを伝えても、
伝わる方と
伝わらない方がおられる。
伝わらないとき、
言い方を変えてみる。
順番を入れ替えてみる。
別の入り口から入ってみる。
その繰り返しでした。
残っているのは、捨ててきたあとのものです
試したことの多くは、
うまくいきませんでした。
自分では良い方法だと
思っていたことが、
実際にはあまり
効かなかったこともあります。
理屈としては正しいのに、
やってみると
手が動かない練習。
その場ではわかった気になるのに、
次の週には
残っていない説明。
そういうものを、
一つずつ外してきました。
今やっていることは、
足していった結果ではなく、
減らしていった結果です。
効いたかどうかは、その場ではわかりません
ひとつ、学んだことがあります。
レッスンの最中に
うなずいてもらえたかどうかは、
あてになりません。
その場では、
たいてい伝わったように見えます。
本当に効いたかどうかは、
次に来られたときにわかります。
音が変わっているか。
家で試してみた形跡があるか。
変わっていなければ、
渡し方が悪かったということです。
その方の努力の問題では
ありません。
そうやって、
次の週にも残るものだけが
手元に残ってきました。
ピアノと歌の両方でやってきたこと
ここには、
もう一つ事情があります。
サヴァサヴァでは、
ジャズピアノレッスンとボーカルレッスンの
両方を扱っています。
そうしていると、
片方で見つけたことが
もう片方でも使えることがあります。
歌の方に伝えている
息の使い方や間の取り方が、
ピアノのフレーズにも効く。
ピアノで使っている
和音の考え方が、
歌う方の音程の支えになる。
どちらか一方だけを
教えていたら、
気づかなかったことです。
同じことを渡しているわけではありません
誤解のないように
書いておきます。
効果があったものが
手元にあるからといって、
全員に同じ順番で
渡しているわけではありません。
ある方に効いたことが、
別の方には効かない。
これは、いつでも起こります。
ですので、
今も試行錯誤は続いています。
完成した教え方が
あるわけではありません。
ただ、
合わなかったときに
別の手を出せる引き出しが、
以前よりは増えました。
合わなかったのは、あなたのせいではありません
過去にレッスンが合わなかった方に、
お伝えしたいことがあります。
それは、
あなたに音楽の適性がなかった
ということではありません。
そのときの渡し方が、
あなたに合わなかった。
それだけのことです。
教える側にも
得意な渡し方があり、
習う側にも
受け取りやすい形があります。
その組み合わせが
合わなかっただけで、
どちらが悪いという話でも
ありません。
合う形を、一緒に探させてください
とはいえ、
一度合わなかった経験があると、
また同じことになるのではないかと
思われるはずです。
その不安は、
もっともだと思います。
ですので、
合わないと感じたときには
そう言っていただければ助かります。
「その説明はよくわからない」
「その練習は続きそうにない」
そう言っていただけると、
別の渡し方を探せます。
こちらにとっても、
それがいちばん助かります。
あなたに合う形を、
ここから一緒に探させてください。
Music Space サヴァサヴァ
野口 尚宏

