なぜセッションなのか。交わす場としての音楽。

暖かな光の部屋で、四人の大人が舞台と客席の形ではなく輪になって向き合い演奏する水彩アニメ風イラスト。黄金の光が一方向ではなく互いの間を循環し、下部中央に「見せる場ではなく、交わす場。」の白いテキスト。

「セッションって、何をするんですか」

体験レッスンに来られた方から、
よくこう聞かれます。

「セッションって、
何をするんですか」

言葉は知っているけれど、
実際に何が行われているのかは
想像しにくいと思います。

発表会なら、まだわかります。
順番に前へ出て、
用意した曲を演奏する。

セッションは、
あれとはかなり違います。

今日は、その違いを
お話しします。

発表会とは、目的が違います

最初に、はっきり書いておきます。

発表会を目標に頑張ることも
素敵なことです。

ただ、セッションとは目的と
形が違うだけです。

発表会は、
一曲を仕上げる力を育てます。

期日に向けて準備し、
最後まで通し、
人前でやり切る。

あれでしか
身につかないものが
確かにあります。

そのうえで、
セッションで育つものは
また別のものです。

完成を見せる場と、その場で作る場

いちばん大きな違いは、
ここです。

発表会は、
できあがったものを
見ていただく場です。

本番の前に、
音楽はほぼ完成しています。

セッションは違います。

始まった時点では、
まだ何も
できあがっていません。

その場にいる人たちが
音を出し合いながら、
その日の音楽を
作っていきます。

だから、同じ曲でも
毎回まったく違うものになります。

披露する場ではなく、
生まれる場なのです。

出番を待つ時間が、ありません

もう一つ、
体感として大きな違いがあります。

発表会では、
自分の出番以外は
聴いている時間です。

その間、緊張は
どんどん膨らんでいきます。

セッションには、
その待ち時間がありません。

誰かがソロを取っている間も、
あなたは伴奏をしていたり、
リズムを支えていたりします。

つまり、ずっと
音楽の中にいます。

参加している状態が
途切れないので、
緊張が溜まる暇がありません。

これは、人前が苦手な方には
けっこう大きな違いです。

失敗の意味が、まったく違う

そして、ここが
いちばん本質的なところです。

完成を見せる場では、
ミスは傷になります。

用意したものから
ずれてしまったからです。

でも、その場で作る場では、
用意した正解が
そもそもありません。

音がぶつかる。
入るところを間違える。
返しが一拍遅れる。

それらは、
その日の音楽の材料になります。

誰かがずれたら、
周りがそれに合わせて
形を変えていく。

そうやって、
予定になかった展開が
生まれていきます。

準備の仕方も、変わります

目的が違えば、
準備の仕方も変わります。

発表会に向けた練習は、
一曲を仕上げる作業です。

細部を詰めて、
再現性を高めていく。

セッションに向けた練習は、
仕上げる作業ではありません。

何が来ても
応じられるようにしておく作業です。

だから、完璧に固めるより、
いろいろな入り方を
試しておくほうが役に立ちます。

固めるのではなく、
身軽にしておく。

だから、上手くなってからでなくていい

「セッションは、
ある程度弾けるようになってから」

そう思っている方は
多いと思います。

でも、実は逆です。

セッションで身につくことは、
セッションでしか
身につきません。

相手の音を聴きながら
自分の音を出すことも、
その場で判断することも、
家の練習では
体験できないからです。

一音でも参加できます。
音を出さずに
リズムを感じているだけでも、
その場の一員です。

それでも、発表会にしかない良さもあります

最後に、もう一度書いておきます。

期日を決めて一曲を仕上げる経験は、
やはり貴重です。

そこでしか味わえない
達成感もあります。

大切なのは、
どちらが正しいかではなく、
自分が何を育てたいのかです。

一曲を深く仕上げたいのか。
誰かと音を交わす力を
つけたいのか。

サヴァサヴァが
セッションを続けているのは、
後者を大切にしているからです。

まずは、見に来るだけでも

とはいえ、
知らない場所へ入っていくのは
勇気がいります。

どんな空気なのか。
自分が浮かないか。
迷惑をかけないか。

その不安は当然です。

サヴァサヴァのセッションは、
毎月第三日曜日に
行っています。

演奏せずに、
様子を見に来るだけでも構いません。

その場の空気を知ってから、
次に音を出せばいいのです。

音を交わす時間を、
ここで体験してみませんか。

Music Space サヴァサヴァ
  野口 尚宏

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