独学で、ここまで来た
誰にも習わず、
自分で調べて、
自分で試して、
ここまで続けてきた。
それは、簡単なことでは
ありません。
誰にも励まされず、
誰にも褒められず、
それでも続けられたということは、
本当に音楽が好きだという
証拠です。
ただ、その方の多くが、
あるところで
同じ感覚に行き当たります。
「なんとなく、
止まっている気がする」
今日は、その正体について
正直に書きます。
独学でできることは、思っている以上に多い
最初に、はっきり書いておきます。
独学でできることは、
驚くほどたくさんあります。
今は、情報が
いくらでも手に入る時代です。
教則本も、動画も、
解説記事も、名演の音源も、
ほぼ無限にあります。
曲を覚えること。
コードの仕組みを知ること。
耳を育てること。
好きな演奏を真似ること。
これらは全部、
一人でも進められます。
「習っていないから
できていない」というのは、
正しくありません。
止まるのは、情報が足りないからではない
だからこそ、
行き詰まったときに
誤解が起きます。
「知識が足りないのだろう」
と考えて、
もっと情報を集めようとする。
新しい教則本を買う。
別の解説動画を見る。
でも、たいていの場合、
状況は変わりません。
なぜなら、
足りていないのは
情報ではないからです。
独学の壁は、
三つの構造から生まれています。
一つめ。自分の音は、自分には聴こえない
演奏している本人は、
自分の音を
正確には聴けません。
録音すれば、
ある程度は確認できます。
ただ、録音を聴いても
わかるのはたいてい
ここまでです。
「なんか違う」
違うことはわかる。
でも、何がどう違うのか、
どこをどうすれば近づくのかが
わからない。
ここで止まってしまう方が、
とても多いのです。
差を見つけることと、
差の理由を言い当てることは、
別の作業です。
二つめ。間違った感覚を、正確に反復してしまう
これが、いちばん
もったいない壁です。
反復練習は、
とても強力です。
やったことが、
そのまま体に刻まれます。
ということは、
ずれた感覚のまま反復すれば、
そのずれも
正確に刻まれます。
力みすぎた指の使い方。
喉に負担のかかる発声。
微妙にずれたリズムの感覚。
本人は正しくやっているつもりなので、
疑うきっかけがありません。
そして、体に染みついたあとで
直すほうが、
最初に覚えるより
ずっと時間がかかります。
努力が裏目に出てしまう。
これが独学のいちばん
つらいところです。
三つめ。「何がわからないか」がわからない
そして、三つめ。
調べることができるのは、
すでに存在を知っている
ものだけです。
知らない考え方は、
検索することもできません。
今の自分に本当に必要なものが、
視界の外にあると、
いつまでもたどり着けない。
独学が同じ場所を
回ってしまうのは、
この構造のせいです。
ちなみに、誰かと合わせる感覚も
これに近いところがあります。
一人で練習していると、
そもそも試す機会がありません。
人に習うことは、答えをもらうことではない
ここで、大切な整理をします。
人に習うことを、
「正解を教えてもらうこと」だと
思っている方が多いのですが、
本質はそこではありません。
本当の役割は、
鏡になることです。
あなたが自分では聴けない音を、
代わりに聴く。
気づけないずれを、
早い段階で伝える。
視界の外にある道を、
そこにあると示す。
地図を渡すのではなく、
今どこにいるかを伝える仕事です。
だから、習うことは
自主性を手放すことでは
ありません。
むしろ、独学を
もっと効くものにする
方法なのです。
ずっと習い続ける必要は、ありません
正直なことを書きます。
音楽を続けるうえで、
一生誰かに習い続けなければ
いけないわけではありません。
独学が主軸でいい方も、
たくさんいます。
ただ、詰まったときだけ
外の目を借りる。
そういう使い方でも、
十分に意味があります。
大切なのは、
一人で抱え込んだまま
音楽をあきらめてしまわないこと。
止まっているように見えて、
実はあと少しの気づきで
動き出す状態であることが、
本当に多いのです。
一度、外から見てもらいませんか
独学で続けてきた方ほど、
習うことに
ためらいがあると思います。
今さら基礎からやり直すと
言われるのではないか。
自己流を否定されるのではないか。
でも、独学で積み上げてきたものは、
その方だけの財産です。
それを崩す必要は
まったくありません。
「ここまでは、よくできていますよ」
「詰まっているのは、ここですね」
そう言ってもらえるだけで、
長く止まっていたものが
動き出すことがあります。
サヴァサヴァでは、
やり方を入れ替えるのではなく、
あなたが今どこにいるのかを
一緒に確かめていきます。
一人で歩いてきた道の続きを、
ここから見つけてみませんか。
Music Space サヴァサヴァ
野口 尚宏

