演奏中、あなたの体に何が起きているか。

暖かな光の部屋で、左側で女性が歌いながら横隔膜や腹筋の動きが黄金の光で示され、右側で男性がピアノを弾きながら手首や指関節の動きが黄金の光で示される水彩アニメ風イラスト。下部中央に「体で感じるから、音楽になる。」の白いテキスト。

演奏しながら、自分の体に気づいていますか?

音楽を演奏するとき、
あなたは何に意識を向けていますか?

音程。
リズム。
楽譜。
次のフレーズ。

それらはとても大切なことです。
でも、もう一つ、
演奏中にずっと起き続けていることがあります。

それは、
あなた自身の体の変化です。

声が出にくくなっている。
肩が上がっている。
息が浅くなっている。
指先に力が入りすぎている。
顎が固まっている。

こういった変化が演奏中に起きていても、
意識が音楽の外側に向いていると、
気づかないまま時間が過ぎていきます。

そしてその気づかなかった緊張が、
音に現れています。

発声は、体全体で起きている

歌うとき、声は喉だけから出ているわけではありません。

口の開け方ひとつで、
声の響きが変わります。
横隔膜の広げ方で、
息の支えが変わります。
腹筋の使い方で、
声の安定感が変わります。

これらはすべて、
体の中で同時に起きていることです。

「なんか今日は声が出ない」
「高い音が出なくなってきた」

こう感じるとき、
多くの場合、体のどこかに
変化が起きています。

口が縦に開いていない。
横隔膜が広がっていない。
腹筋に力が入っていない。
肩に余分な力が入っている。

その変化に気づけるかどうかが、
声をコントロールする第一歩です。

ピアノ演奏も、体全体で起きている

ピアノは「指で弾く楽器」と
思われがちです。
でも実際は、体全体が関わっています。

姿勢が崩れると、腕の動きが制限されます。
手首が固まると、指の自由度が落ちます。
指の関節を使えていないと、
音の粒が揃わなくなります。
肩に力が入ると、腕全体が重くなります。

演奏していると、
こういった変化がじわじわと起きていきます。

でも多くの場合、
演奏者はその変化に気づかないまま
弾き続けています。

「なぜここだけミスが増えるのか」
「なぜ速くなると音が乱れるのか」

その原因が、
指の技術ではなく
体のどこかの固まりにある
ことは少なくありません。

「今、体に何が起きているか」を感じる力

演奏しながら自分の体を観察する。

これを「ボディアウェアネス」と言います。
体の自覚力、とでも言えるものです。

この力が育っている人の演奏は、
安定しています。
なぜなら、体に変化が起きたとき、
すぐに気づいて修正できるからです。

反対に、この力がない場合、
体に何が起きているかわからないまま
演奏が続きます。

頑張っているのに上達しない、
という状況の裏には、
この「体の自覚力」が育っていない
ことが多いのです。

練習中に試してほしい、一つの問いかけ

次に練習するとき、
演奏しながらこう自分に問いかけてみてください。

「今、肩はどうなっているか」
「今、息はどこまで入っているか」
「今、手首は自由に動いているか」
「今、顎は力んでいないか」

最初は、答えがわからないかもしれません。

それでいいのです。
「わからない」と感じること自体が、
体への意識が始まった証拠です。

繰り返すうちに、
少しずつ体の声が聴こえてくるようになります。

「あ、今肩が上がってきた」
「ここで息が浅くなっている」
「指先だけで弾こうとしている」

その気づきが、
演奏を変えていきます。

体を感じることは、音楽を感じること

体の自覚力が育つと、
もう一つ大切なことが起きます。

体を通じて、音楽をより深く感じられるようになるのです。

横隔膜が広がる感覚と、
声が豊かに響く感覚がつながる。
手首が柔らかく動く感覚と、
音が滑らかに流れる感覚がつながる。

体の感覚と音楽の感覚が一致してきたとき、
演奏は「考えるもの」から
「感じるもの」に変わっていきます。

これが、
音楽が体に入った状態です。

体の声を一緒に聴いていきませんか

「なぜか上達が止まっている」
「頑張っているのに音が変わらない」
そう感じている方に、
一度試していただきたいことがあります。

音楽の外ではなく、
自分の体の中に
目を向けてみてください。

体は、常に何かを伝えています。
それに気づける人ほど、
音楽は着実に深まっていきます。

サヴァサヴァでは、
発声もピアノ演奏も、
「体の中で何が起きているか」を
一緒に観察しながら進めるレッスンを
大切にしています。

体の声を聴く練習を、
一緒に始めてみませんか。

Music Space サヴァサヴァ
  野口 尚宏

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