地味な反復こそが、最大の近道。メトロノームとチューナーが教えてくれる「本当の歌唱力」。

温かみのある水彩画風のイラスト。日差しの入る部屋でリラックスして歌う人。手前の譜面台にはメトロノームとチューナーが置かれている。その基礎的な機材から生まれた光の帯が歌い手を優しく包み込み、窓の外へ自由に羽ばたく鳥のような美しい音波へと変化している。画像下部には「地味な反復が、歌を自由にする。」というテキストが書かれている。

「もっと高音を綺麗に出したい」
「プロのようにカッコよくリズムに乗りたい」
洋楽ボーカルを学んでいると、誰もがそんな風に願うものです。
そしてインターネットを開けば、「1日で劇的に歌が上手くなる!」といった、
まるで魔法のような裏技やテクニックの解説が溢れています。

しかし、長年音楽に向き合ってきた私たちがたどり着く答えは、
いつも驚くほどシンプルです。

ボーカリストにとって最も大切な基礎。
それは、「メトロノーム」を使ってタイム感(リズム)を養うこと。
そして、「チューナー」を使って自分のピッチ(音程)を正確に整えること。
これに尽きます。
とても地味で、根気のいる練習に見えるかもしれません。
しかし、この一見退屈な反復練習こそが、
自由な歌唱力を手に入れるための最大の「近道」なのです。

野球選手が毎日黙々とバットの素振りを繰り返すように。
あるいは、一流の寿司職人が毎日同じように包丁を研ぐように。
どんな世界でも、本物の自由を手に入れるためには、
揺るぎない「基礎」を身体の奥底に染み込ませる必要があります。

歌において、
その包丁研ぎにあたるのが
「メトロノーム」と「チューナー」を使った練習です。

カチッカチッという無機質なメトロノームの音に合わせて、
正確に言葉を乗せていく。
自分の声が今、正しい音程の真ん中に当たっているのか、
それとも少しだけ上(シャープ)や下(フラット)にズレているのかを、
チューナーの針(メーター)を見ながら視覚的に確認し、
ミリ単位で声帯の筋肉を微調整していく。

この地道な作業を繰り返すことで、
「なんとなく」で歌っていた感覚が、
確かな「技術」へと変わっていきます。

「そんな機械的な練習ばかりしていたら、
歌から感情が消えてしまうのでは?」
と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
実は、全く逆なのです。

ピッチが不安定で、リズムにしがみついている状態では、
歌いながら
「次は音を外さないようにしなきゃ」
「リズムに遅れないようにしなきゃ」
という不安で頭がいっぱいになってしまいます。
これでは、曲の情景や感情を込める余裕などありません。

しかし、メトロノームとチューナーによる練習で、
正確なピッチとリズムが「無意識」レベルで身体に染み込んでいるとどうでしょう。
あなたはもう、音程やリズムの心配をする必要がなくなります。
完全にリラックスした状態で、目の前の相手に言葉を伝えること、
その曲の感情を表現することだけに、100%の心を注ぐことができるようになるのです。

基礎という強靭な土台があって初めて、
あなたの感情は空高く、自由に羽ばたくことができます。

岸和田のMusic Space サヴァサヴァでは、
この「地味だけれど最も大切な基礎」を、
大人の方が挫折せずに楽しく続けられるようサポートしています。

チューナーの針がピタッと真ん中を指したときの、
あの声が空間にスパーンと抜けるような快感。
メトロノームの裏拍を気持ちよく感じられた瞬間の、
身体が自然と動き出すようなグルーヴ感。
それは、地道な練習を積み重ねた人だけが味わえる、
極上の音楽体験です。

遠回りに見えて、実は一番の近道。
私たちと一緒に、
一生モノの自由な歌唱力を手に入れるための「基礎固め」を始めてみませんか?

野口 尚宏