🎧 “有名だから価値がある”という錯覚
現代の音楽や教育の世界では、
「誰が言ったか」「どれだけ拡散されたか」で価値が決まるような風潮が広がっています。
SNSやYouTubeでは、登録者数や再生回数が“影響力”として可視化され、
数字が信頼を担う時代になりました。
もちろん、広く発信できること自体は素晴らしいことです。
しかし一方で、「静かに誠実に続けている人」や「本質的な表現を追い求める人」が、
見えにくくなっているのも事実です。
🎵 音楽業界・教育業界にも広がる“評価の偏り”
音楽業界やジャズ業界でも、「バズる演奏」「話題になるアレンジ」ばかりが注目され、
音そのものの深みや背景の思想が置き去りにされることがあります。
教育の現場でも、フォロワー数の多い講師や派手な演出の動画が“指導力の証拠”のように扱われるケースもあります。
しかし、音楽や教育は「時代の波に乗ること」よりも、
「どれだけ人の心に寄り添えるか」が本質です。
一時的な人気より、長く残る音。
それを生み出せる人は、決して声高に自分をアピールしなくても、
確かな誠実さを積み重ねています。
🌱 誠実さは、喧騒の中でも失われない
“誠実さ”とは、静かなものです。
派手な言葉や誇張された表現よりも、
日々の練習・対話・真摯な姿勢の中に宿ります。
それは一朝一夕に生まれるものではなく、
長い時間をかけて磨かれる人間的な質です。
どれだけ環境が変わっても、音楽の根本にあるのは「心を込めること」
時代の流れに惑わされず、音に誠実であり続けることこそ、
本当の意味での“価値”を生み出す唯一の道です。
🎹 当教室で伝えていること
当教室にも、YouTubeやSNSを見て学び始めた生徒さんが多くいらっしゃいます。
それ自体はとても良いことですが、
実際にレッスンを受けてみると、
「ネットではわからなかった“音の感触”や“呼吸の間”に感動した」と話す方が多いです。
オンラインでの情報も大切ですが、
“人と音でつながる時間”の中にしか生まれない学びが確かにあります。
その体験が、生徒さんにとって一生の財産になるよう、
誠実に音楽と向き合う時間を大切にしています。
💬誠実さは静かな力
SNSの時代にあっても、誠実さは決して過去の価値ではありません。
むしろ今だからこそ、その静かな力が光ります。
派手さよりも、心に残る音。
一瞬の話題性ではなく、10年後も誰かの心に響く音楽を。
それこそが、私たちが大切にしたい“本当の誠実さ”です。
野口 尚宏

