暑い夏。悲しい出来事。

今年の梅雨は短く、あっという間に夏本番の季節となりました。
昨日起こった悲しい出来事。
安部元首相が何者かの銃弾に倒れるという痛ましいと共に今までの安全神話が完全に崩壊したショックを受けました。
この事件の背景はこれからゆっくりと解明されていくかもしれませんが、
結局のところ真相は誰にも分からず歴史上の1ページとしては刻まれながらも、何となく風化していくことでしょう。
今、世の中は目まぐるしく変化していくと同時に難しい課題を突きつけられています。

どんな人も自分の信念や考えのもとに行動し生きています。
時には周りの方々の協力も必要で同じ考えや志を熱く持った方々は最初は集い、関係を深めていきます。
その過程の中で考えの違いが生まれ、別れていきます。
この事は当たり前の事だと思うのです。

ここで大事な事は人を信じすぎてはいけないという事です。
なんだか冷たい言い方に聞こえますが、
正確にいうと相手の考えを自分の思い込みによって決めてはいけないということです。
他人の考えは違って当たり前。
その事を前提におき、身勝手な思い込みで自分が正しいと思っている事を他人に押しつけてはいけません。

音楽、特にジャズは音を合わせる時のメンバーは考え方が違って当たり前。
その事を前提にお互いの音をよく聴き合い、
奇跡的に気持ちが合った時にこの上ない喜びを感じる。
そういう音楽だと僕は考えています。
音楽的な完成度は二の次です。
逆にいうと相手の気持ちを尊重し、自分の考えも表現して音楽を作りあげていく事が出来れば
完成度は低くても琴線に触れるいい音楽が生まれるものだと思います。

決して自分の思い通りにしようとしてはいけません。
役割として曲の進行を任されるリーダーになったとしてもその方向を支えてくれるメンバーには最大限の敬意を持って音楽を作り上げていくものだと思います。
繰り返しますが、本当の優しさとは自分の思い込みで相手の考えを決めつけ、押しつける事ではありません。
暑い夏に頭をクールダウンして考える必要があると思い、今の僕の思いを綴らせて頂きました。

これから更に暑い日が続きますが、皆様、くれぐれもご自愛ください。

野口 尚宏