🎶 まずは“覚えやすい曲”から始めましょう
ジャズを始めたばかりの人にとって、
「好きな曲をアドリブで弾きたい」という気持ちはとても自然です。
しかし、最初の段階ではコード進行がシンプルな曲を選ぶことをおすすめします。
理由は簡単です。
アドリブの基礎は、「曲を覚えること」よりも「コードの流れを体で感じること」
難しい曲を選んでしまうと、理論や転調に気を取られ、
本来の“音を感じる練習”から離れてしまうのです。
🎵 シンプルな曲だからこそ見えてくる“音の本質”
たとえば「Cメジャーだけで構成された曲」や「Ⅱ−Ⅴ−Ⅰ進行」など、
基本的なコードパターンを繰り返す曲は、即興練習に最適です。
音数が少ない分、リズムの遊び・音の間（ま）・表現の幅に集中できます。
これはまさに、“少ない音でアドリブする力”にもつながります。
簡単な曲を軽視せず、丁寧に向き合うことで、
のちにどんな複雑な曲に出会っても即座に対応できる柔軟な耳と感性が育っていきます。
🧠 理論より“感覚”を育てることが先
難しい曲に挑戦する前に、まずは「1曲を完全に理解する」ことを目指しましょう。
コードの流れを口ずさめるようになれば、それがアドリブの地図になります。
ジャズは理論の積み重ねでできているように見えますが、
実際には、感覚的な反応や音の“対話”が最も重要です。
その感覚は、難曲ではなく、シンプルな曲を繰り返し弾く中でこそ磨かれます。
🌱 当教室でのアプローチ
当教室では、初心者の方にはまず「覚えやすい曲」からアドリブの練習を始めてもらいます。
シンプルな進行を使って、リズムや音の反応を楽しむ。
その過程で、自然にジャズの“会話する音楽”という感覚が身についていきます。
難しい曲に挑戦するのは、その次の段階。
基礎の積み重ねこそが、自由な演奏への一番確かな道です。
💬 シンプルな曲は“即興の先生”
ジャズの即興演奏は、派手な技術よりも、
基礎的なコード感とリズム感がすべての土台です。
まずは、簡単な曲で“音を感じる練習”を重ねましょう。
好きな曲を自由にアドリブできる日が来るのは、
そのシンプルな一歩を大切にした人だけです。
野口 尚宏