音楽は才能だけでは語れません。
むしろ、情熱と習慣の力こそが、真の音楽家を育てる源泉なのです。
多くの方は、音楽の才能は生まれつきのものだとお考えかもしれませんが、
実際はそう単純ではありません。
才能の神話を超えて
才能という言葉は、しばしば誤解を招くものです。
確かに、生まれつきの素質が音楽の上達を助けることはあるでしょう。
しかし、それだけで音楽の真髄に迫ることはできません。
真に重要なのは、音楽を好きで続けていくという姿勢なのです。
習慣の力
音楽の上達は、多くの場合、本人も気づかないうちに進んでいきます。
日々の練習を習慣化することで、少しずつ技術が磨かれていくのです。
この過程は、時に退屈に感じられることもあるかもしれません。
しかし、継続することで、やがて楽しさが自然と湧いてくるものです。
気づかぬ間の成長
興味深いのは、この成長が本人にはわかりにくいという点です。
日々の小さな進歩は、外からの目には明らかでも、本人には見えにくいものです。
しかし、ある日突然、自分の演奏が以前とは比べものにならないほど
上達していることに気づく瞬間が訪れます。
才能の再定義
こうした継続と成長の積み重ねが、やがて周囲から「才能」と呼ばれるようになります。
つまり、才能とは生まれつきのものではなく、情熱と努力の結晶なのです。
この視点に立てば、誰もが音楽の喜びを深く味わえる可能性が開けてくるのではないでしょうか。
音楽を楽しむ心
最後に強調したいのは、音楽を楽しむことの重要性です。
技術の向上も大切ですが、それ以上に音楽そのものを愛し、
楽しむ心を持ち続けることが、長期的な成長と充実感につながります。
音楽は、才能の有無を超えた、人間の普遍的な表現方法です。
誰もが、自分なりのペースで音楽を楽しみ、成長していけるのです。
その過程こそが、音楽の真の魅力なのかもしれません。
野口 尚宏