ボーカリストはバンドの中で最も重要なパートです。ボーカルは単にメロディーを歌うだけでなく、曲全体のムードを作り出し、リスナーの感情を引きつける役割を担っています。ボーカリストの声はバンドの顔とも言え、その表現力が曲の魅力を大きく左右します。
さらに、ボーカリストはリズム面でも重要な役割を果たしています。多くの人がリズムはドラマーやベーシストの担当だと思いがちですが、実際にはボーカリストもリズムの一部を担っています。ボーカリストのフレージングやアクセントの置き方一つで、曲全体のグルーヴ感が変わることがあります。彼らは自分の声を使って、他のメンバーとリズムを合わせ、時にはリードすることで、楽曲を一つにまとめます。
ボーカリストは、ある意味でバンドの指揮者のような存在です。彼らは歌詞を通じて物語を伝え、その感情を表現することで、バンド全体のパフォーマンスをリードします。観客の注意を引きつけるカリスマ性やステージ上での存在感も重要で、それによってバンドのライブパフォーマンスが一層魅力的なものになります。
また、4小節単位の曲のサイズを感覚的に覚えることも重要です。4拍子だと割とすぐに覚えられます。発声面でも、すぐに音のアタックを素早く出せるように、出しやすい高さの音を素早く出す練習が必要です。また、音が同じ音の高さで同じ大きさで出せるように練習します。呼吸法や口のあけ方リップロールやエッジボイス、裏声と地声の切り替わりで音が不安定にならないために行うボイストレーニングの仕方、細かい発声練習エクササイズは当教室では必ず歌う前に10分ほど毎回行います。そのことで、ほとんどの方が声を出しやすくなられます。
ボーカリストは単なるパフォーマーではなく、バンドの核となる存在です。その表現力、リズム感、そしてリーダーシップが、バンドの成功を支える重要な要素となります。
野口 尚宏