音を「肌」で聴く、という贅沢。アコースティック・アンサンブルの魔法

木の温かみのある部屋で、ピアノやベースなどのアコースティック楽器が奏でる音が、黄金色の温かい空気の波となって空間を満たしている様子:生演奏の肌触り

スマホとイヤホンがあれば、
いつでもどこでも高音質な音楽が聴ける時代です。
でも、ライブやスタジオで生楽器の音を聴いた時、
「全然違う」と感じたことはありませんか?

その違いの正体は、「空気の振動」です。 電子音ではなく、
アコースティック楽器でアンサンブルをするということは、
単に音楽を聴く以上の、身体的な体験なのです。

全身で浴びる、音のシャワー

アコースティックピアノの弦がハンマーで叩かれた瞬間、
木の筐体が震え、その振動が空気を押し出し、
床を伝ってあなたの足の裏や肌に届きます。
ウッドベースが低い音を弾けば、お腹の底がビリビリと響きます。

これは聴覚というよりも、「触覚」に近い感覚です。
デジタルの整えられた音波ではなく、
楽器が一生懸命に空気を震わせる「生のエネルギー」を全身で浴びること。
それはまるで、音の温泉に浸かっているような、この上ない贅沢な時間です。

異なる振動が混ざり合う奇跡

一人で弾くのも良いですが、アンサンブル(合奏)はさらに格別です。
ピアノ、ベース、サックス……異なる材質、異なる仕組みの楽器たちが、
それぞれの振動を出し合い、空中で混ざり合います。

その複雑で豊かな倍音の響きの中に身を置くと、
日常のストレスや疲れが、音の波に洗われていくような感覚を覚えるはずです。
これは、画面越しのオンラインセッションでは絶対に味わえない感覚です。

便利なデジタル音も素晴らしいですが、
たまには「生の振動」を肌で感じに来てください。
木の温もり、弦の響き、空気が震える感覚。
その贅沢な体験は、あなたの心と体を芯から温めてくれるはずです。

野口 尚宏