クラシック音楽は「再現」に重きを置く
クラシック音楽では楽譜通りに演奏することが前提とされます。
作曲家が残した指示やニュアンスを忠実に再現することで、
作品としての完成度を目指します。
そのため、同じ曲を何度も弾くことは理想に近づくための反復であり、
アレンジや即興は基本的に加えないことが多いのです。
ジャズは「即興性」によって進化する
対してジャズは、同じ曲を何度も演奏することが前提ではありますが、
毎回の演奏が「その瞬間の表現」であり、
日々更新されるアートとも言えます。
アドリブやリズムの揺らぎ、
演奏者同士のインタープレイによって、
同じ曲が何度でも新しい発見を生み出すのです。
繰り返しの“目的”が違う
クラシックは完成された作品を再現するために、
ジャズは未完成な音楽を探求するために、繰り返すのです。
この違いを知ることで、
どちらの音楽もより深く楽しむことができると思います。
野口 尚宏