英語の歌が持つ“倍音”の響きとは?

英語の歌を歌う若い女性が優しく歌っている様子を描いた写真風イラスト。背景には音符と光の重なりが広がっている。

日本語と英語、響きの違いはどこに?

日本語の歌と英語の歌を聴き比べてみたとき、
英語の歌声の方が“響きが豊か”に感じたことはありませんか?
この違いの一因となっているのが、「倍音(オーバートーン)」と呼ばれる音の性質です。


倍音とは?

倍音とは、ある音を出したときに同時に鳴っている隠れた音のこと。
私たちが「美しい声」や「伸びのある声」と感じるとき、
それはこの倍音が豊かに含まれていることが多いのです。

英語の歌には、母音の発音方法や子音の響かせ方に特徴があり、
結果として倍音が豊かに現れやすいと言われています。


英語の母音が生み出す“響き”

たとえば、英語の「R」や「L」の音、
深く開く「あ」「お」「う」などの母音は、
口の奥や喉、鼻腔を共鳴させて倍音を豊かにします
一方で、日本語は比較的口先だけで発音されるため、
倍音が抑えられた印象を持たれやすいのです。

その結果、英語の歌声は空間を包むように響き、
日本語よりも広がりのある印象を与えることがあります。


ジャズボーカルがなぜ“かっこよく”聴こえるのか?

ジャズやソウル、ゴスペルといった英語圏の音楽に多いジャンルでは、
この倍音の魅力が最大限に活かされています。
自然に息を混ぜる発声、抑揚をつける語尾、
母音の引き伸ばしなどが、倍音を生かすテクニックとして使われています。

「声そのものが楽器のよう」と感じられるのは、まさにこの倍音効果のおかげです。


英語で歌うことで、声の響きも変わってくる

当教室でも、英語のジャズスタンダードに挑戦される生徒さんが増えています。
最初は発音に戸惑っていた方も、
慣れてくると自然と声の響きが変わり、
のびやかさが増すことに驚かれます。

英語の発音に苦手意識がある方でも、
歌を通して自然に倍音のある発声を身につけることができるのです。


まずは聴くことから。倍音の美しさに耳を傾けてみましょう

英語の歌は難しく聞こえるかもしれませんが、
まずはゆっくり聴いて、耳で“響き”を感じてみることから始めましょう。
言葉ではなく「音の感覚」として味わってみると、
きっと新しい発見があります。

当教室では、英語の歌を通じて、
自然に発声や音感を育てるボーカルレッスンを行っています。
興味のある方は、ぜひお気軽に体験レッスンにお越しください。

野口 尚宏