先日HPをリニューアルさせて頂きましたが、その理由はいくつかあります。
一つは以前のHPのデザインが文字中心で少し見にくく、当教室の情報をお届けしたい方へ見やすくお届けしたいと考えたこと。
そこでプロの方に任せて今までと内容は同じでデザインやレイアウトを一から作って頂く事にしました。
またこのコロナ禍で世の中全体が一気に変わってしまったことによってこれからの教室のあり方をじっくりと腰を据えて考える時間がたっぷりすぎるほどあったこと。
もしかしたらもう対面でのレッスンは不可能なんじゃないかとか、
これからはレッスンをオンラインに切り替えてやるべきじゃないかとかアドバイスも頂いたりしましたが、
今の状況とこれからの教室の運営方針をしっかり見つめ直した結果、方針が決まりました。
時が経つに連れ、コロナウイルスもまだ油断は出来ませんが少し落ち着きを見せ、
社会の雰囲気はコロナよりもっと重要な問題定義を突きつけました。
情報の拡散と今まで積み上げてきた社会構造の矛盾により混乱を極める国際社会情勢。
これは根深い民族や国家間のイデオロギーの違いを長い年月をかけて絶妙なバランスで保ち続けてきた事が情報の拡散によって少しずつ崩れ、一気に噴出してきたかのようにも思えるのです。
情報そのものには温かみはありません。
あくまで情報にすぎないのです。
情報はインターネット、各種SNSの普及により恐ろしいスピードで世界を駆け巡るようになりました。
人間が判断する時間の限界値を超えてるのではと思えるほどです。
インターネットのアルゴリズムにより導かれる情報検索のシステムは全てではありませんが人工知能であるAIによるところが大きく作用します。
AIには感情がありませんので、あくまでデータとして処理し解析していきます。
迷い悩む事がないのです。
本来の人と人とのコミュニケーションは迷い、悩みながら人間関係を時間をかけて構築していくものです。
私の感覚としてインターネットはあくまでツールの一つであり、オンラインにおける音楽的コミュニケーションは対面では不可能な距離的問題と時間節約の利便性にのみ行われるものであってリアルな音楽体験をオンラインで行う事は不可能であると考えています。
ある程度の情報や知識、一人で行う技術の習得はオンラインでも可能だと思いますし、
もしかしたら今後はオンラインレッスンも一つのツールとして取り入れる事はあるかもしれません。
しかし、対面で同じ空気を吸いながら、お互いの表情を見てお声や楽器を奏でる音を聴き合いながら音楽を作っていく教室でのレッスンスタイルは失わず、続けていきたいと思います。
今後世の中はめまぐるしいスピードで変化していく事でしょう。
しかし、変わるべくして変わるものと出来うる限り踏んばってでも残し、
継承していきたいものの区別はしっかりすべきだと思います。
野口 尚宏