音楽だけではなく、物事が上達するために大事なことはなんでしょうか?
努力、勉強、継続、etc
確かにどんなことでも基礎的な能力を身につけるための練習や習慣は必要かもしれません。
でも、もっと大事なことは自分が何をしたいか。
何を望んでいるかを突き詰めて考える必要があると思います。
よくレッスンにお越しになる生徒さんで、特に若い学生さんなどに多いケースなんですが、
「○○みたいなアーティストになりたい」って仰る方がいらっしゃいます。
誰か特定の方に憧れて、あんな風になりたいと思うのは良いと思います。
しかし、当たり前ですが、どんな人もその憧れのアーティストにはなることはできません。
違う人間なのですから。
よくよく考えてみて、そのアーティストのどこに憧れて、そうなりたいと思うのか、
成功してお金をたくさん稼いで有名だから憧れているだけだとしたら、そこへ近づくことすらできません。
つまり、偉大なアーティストが偉大である理由は唯一無二、誰にも取って代わることができない魅力があるからです。
また、重要なこととして本当の意味で物事の上達やスキルにどんな方にも通用するノウハウはありません。
これだけ情報がたくさん溢れかえる中で「誰でもできる〇〇」とかありますが、
あんなものは嘘です。
なぜなら、どんな方もどうなりたいかの基準が異なっているからです。
まずは基礎的な音楽の知識と音楽をするための目的を再確認して頂きたいのです。
物事の上達は個人個人がその目標到達地点を設けることが重要です。
音楽的な知識、技術などを習得した上で少しでも多くの方に自身の表現することをご理解頂き、
できるなら感動して頂き、応援していただくよう努力する。
ここ最近の流行りでいうと「ファン化」ですよね。
そのためにはレッスンを受ければなんとかなるのではなく、
まずは自分が何を表現したいのかを考え、それを一人でも多くの方に支持して頂きたいなら、
多くの音楽に触れ、実践していくことが重要です。
自分の価値観を狭い世界に閉じ込めず、広い視野で見つめ直し、表現していくこと。
これが重要であると考えます。
そこで当教室が目指すところは勉強や練習より、まずは実践です。
先入観を捨てて、基礎を勉強しつつも、まずは勇気を持って声を出す。弾いてみる。
そう、音楽とは勉強ではなく、実践なのです。
野口 尚宏