鼻呼吸で歌うメリットとは?
歌を歌う際に、鼻呼吸を意識するだけで驚くほど歌いやすくなることをご存じですか?鼻から息を吸うことで得られる主なメリットには以下のようなものがあります。
- 喉の湿度が保たれる
鼻腔は空気を加湿する機能があり、乾燥が大敵である声帯を守ります。これにより、長時間歌っても喉が痛みにくくなります。 - 深い呼吸が可能
鼻から息を吸うと自然に腹式呼吸につながりやすく、肺全体に酸素を取り込むことができます。これにより、長いフレーズでも安定した声を出しやすくなります。 - 喉周りの力みを軽減
鼻呼吸は喉周辺の筋肉をリラックスさせる効果があり、無駄な力みを抑えて自然な発声が可能になります。
鼻呼吸と口呼吸の違い
特徴 | 鼻呼吸 | 口呼吸 |
---|---|---|
加湿・加温効果 | 高い(喉への負担軽減) | 低い(乾燥しやすい) |
呼吸の深さ | 深い(腹式呼吸につながりやすい) | 浅くなりやすい |
空気量 | 少ない(ゆっくり深く吸える) | 多い(一瞬で大量の空気を取り込める) |
音 | 静か | 吸気音が目立つ場合も |
鼻から息を吸うことで発声が安定しやすくなる一方で、
瞬時に大量の空気が必要な場合には口呼吸が適している場合もあります。
そのため、両方を状況に応じて使い分けることが重要です。
鼻呼吸を活用した歌唱練習
鼻呼吸を取り入れるためには以下の練習がおすすめです。
- リラックスした状態で鼻から深く息を吸う
息が肺全体に広がる感覚を意識しましょう。無理にたくさん吸おうとせず、自然な深さで行います。 - ハミング練習
鼻腔共鳴(鼻腔内で音を響かせる感覚)を意識しながら「ん〜」と音を出します。この練習は発声の響きを良くする効果があります。 - 実際の歌唱で試す
ゆったりした曲やロングトーンが多い曲で鼻呼吸を試してみましょう。特にバラードなどでは効果的です。
鼻呼吸の注意点
鼻呼吸には多くのメリットがありますが、
短いブレスポイントでは十分な空気量を確保できない場合があります。
そのため、状況によっては口呼吸も併用する柔軟性が必要です。
また、無理に鼻から大量に息を吸おうとすると逆に力みにつながることもあるため注意しましょう。
呼吸を見直すと歌声も
鼻呼吸は歌唱時の発声や喉への負担軽減に大きな効果があります。
特に長時間歌う際や繊細な表現が求められる場面では、そのメリットは計り知れません。
一方で、一瞬で大量の空気が必要な場合には口呼吸との併用も重要です。
ぜひ日々の練習に取り入れて、美しい歌声と安定した発声力を手に入れましょう!
野口 尚宏