私にとって、音楽活動と教育を両立することは困難な課題です。
流行の音楽は多くの人々に届くことを目的としていますが、それが悪いことだとは思いません。
むしろ、多くの人に良い音楽を届けることができるのは素晴らしいことです。
しかし、人生経験や環境が異なる人々にとって、心に残る音楽とは何でしょうか。
その時代に流行する音楽は、その瞬間に注目を集めることがあります。
しかし、本当に人々の心に残る音楽は、聴いた人に深い感情を呼び起こし、考えさせるものです。
音楽を聴くことと作ることは非常に近い関係にあり、私はこの理解を広めたいと考えています。
音楽は単なるエンターテイメントではなく、
自己表現やコミュニケーションの手段として強い力を持っているのです。
自己顕示欲があまり強くない私にとって、音楽そのものの力を信じ、
その素晴らしさを多くの人に伝えることが重要なのです。
そのため、自己の音楽活動を控え、音楽に親しんでいただけるジャズ教室を開くことに決めました。
教室では、初心者から上級者まで、全ての生徒さんが自身の音楽を見つけ、
楽しむことができる環境を提供しています。
技術の習得だけでなく、音楽の本質に触れる機会を提供し、
心から音楽を楽しむことの素晴らしさを伝えたいと考えています。
野口 尚宏