“自分で音を決める力”を育てるジャズの魅力

譜面を見ずに自分の音を探すようにピアノを演奏する子ども。背景には柔らかな光とジャズコードが浮かび上がり、自由な表現を象徴している。

音を“選ぶ”という感覚が育つ音楽、それがジャズ

クラシックでは「譜面を正確に弾く」ことが基本ですが、
ジャズでは「今、どんな音を出すか」を自分で決めることが求められます。
それはつまり、「音楽的判断力」を育てるということでもあります。


ジャズは“正解”のない音楽

ジャズには、「これが正しい演奏」という1つの答えはありません。
その代わりに、今の気持ち、相手との関係、
音の流れに合わせて音を選ぶ自由があります。
その自由が、演奏者の個性と表現力を引き出してくれるのです。


楽譜に頼らない=自分の音楽を作るということ

ジャズでは、コード進行とメロディから
自分なりのアレンジや即興を作ることが日常です。
これは、楽譜にすべてが書かれたクラシックとは違う、
「音を“生み出す”学び」です。


即興=ただのアドリブではない

即興というと無計画に弾くイメージを持たれることもありますが、実は逆です。
コード、スケール、リズム、フレーズの語彙を身につけた上で、
それを自分なりに組み合わせて音を選ぶ力を育てるのがジャズです。


教室でも「音を自分で決める練習」を大切にしています

当教室では、単にフレーズを覚えるだけでなく、
どうしてこの音を選んだのか?」を考えられるようなレッスンを行っています。
それにより、音楽に対する“主体性”が育ちます。


音を決める力は、生き方を決める力にもつながる

音楽の中で「自分で決めた音を出す」体験は、
人生においても「自分で選ぶ力」「自分の声を出す勇気」
につながっていくはずです。

それが、ジャズが“自由”と言われる本当の意味なのです。

野口 尚宏