模倣は学びの入り口
音楽教育の現場では、多くの生徒さんが憧れの演奏家を真似ることから始めます。
フレーズ、音色、リズム、表現方法…それらを模倣することは、確かに大切な学習の一歩です。
模倣には気づきがあり、模倣の中に技術が宿ります。
でも、模倣で終わってはいけない
模倣は目的ではなく、通過点です。
他者のスタイルをなぞるだけでは、本当に心を動かす音楽は生まれません。
大切なのは、模倣の先にある自分自身の声を見つけること。
つまり、オリジナルな表現を目指すことです。
AIの力で自分らしい音楽に出会う
今は、AIを活用することで、
自分では思いつかなかった和音や展開に触れることも可能になりました。
たとえば、AIが提案するコード進行や歌詞のアイデアは模倣を超えて新たな表現の種になります。
自分の感性とAIの発想が掛け合わされることで、
新しい音楽が生まれる可能性があるのです。
表現とは「その人らしさ」のこと
最終的に、音楽における表現力とは「その人らしさ」のこと。
声の揺れ方、リズムの感じ方、音に込められた気持ち…それらが聴き手の心を動かします。
模倣から学び、AIを活用しながらも、最後に必要なのは「あなたらしい音」なのです。
野口 尚宏