ピアノは指よりも「頭」で弾く楽器

ピアノを前にして考え込む若い男性のフラットイラスト

ピアノ演奏で本当に必要なこと

ピアノというと、速い指さばき精密なテクニックが重要だと思われがちですが、
実はもっと大事なのが「頭の回転の速さ」です。
音を出す瞬間には、すでにその前に何を考えているかで勝負が決まっています。

頭の中で鳴らせるかどうか

即興演奏やアンサンブルでは、
次にくるコードやフレーズを瞬時にイメージできる力が求められます。
音を出すより前に、
音楽を思い描けること=内的聴取力が鍛えられているかが鍵になります。

指の動きは「結果」である

指の速さは、思考のスピードに追いつくための手段にすぎません。
逆に、頭の中で整理されていない状態での指の速さは、
不自然で機械的な演奏になりがちです。
ピアノは「頭で弾く」楽器だという感覚を育てましょう。

音楽を言語のように捉える

音楽を言葉と同じように「話すように弾く」ためには、
考える→感じる→表現するという流れが必要です。
特にジャズや即興演奏では、相手の音に反応しながら、
自分の音を創造していくリアルタイムの思考力が不可欠です。

生徒さんとのレッスンでも大切にしていること

当教室では、ただ速く正確に弾くことよりも、
音楽をどう感じるか・どう考えて弾くかを大切にしています。
生徒さんそれぞれのテンポで、
思考と音のつながりを育てていくレッスンを行っています。

野口 尚宏