テンポルバートで歌う楽しさ

テンポルバートとは?

テンポルバートとは、音楽の演奏や歌唱において、テンポを自由に変化させる技法のことを指します。
実は、この言葉は元々「テンポが盗まれる」という意味を持っています。
この技法は、特にジャズクラシック音楽で多く見られ、
演奏者や歌手が感情をより豊かに表現するために用いられます。
テンポルバートを使って歌うと、メロディラインがより生き生きと感じられ、
聴衆に強い印象を与えることができます。

テンポルバートの特徴的なメロディは、大体最初の1音から3音の短い音符で始まり、
その後に1つの長い音符へと移行することが多いです。
このメロディが何度か繰り返されたり、少しずつ変化させられたりしながら、音楽が進行していきます。
例えば、「ド・レ・ミーー」という形で始まり、その後に「ミ・ファ・ソーー」などと変化していくことが典型的です。

前回はドレミCDEと認識することの重要性をお話しましたが、
歌う際に音程を正しく取ること、
メロディの特徴を覚えるにはドレミファソラシドで声に出して歌うことも効果的です。

テンポルバートの魅力は、演奏者の個性や感情をダイレクトに伝えることができる点にあります。
自分のペースでメロディを進めることで、リスナーに対して独自の世界観を提供することができます。
特にジャズの即興演奏では、テンポルバートを駆使することで、より一層の表現力を発揮することができます。

テンポルバートをマスターするためには、基本的なリズム感とメロディ感を身につけることが重要です。
また、柔軟な表現力と即興性を磨くことで、より豊かな音楽表現が可能になります。
是非、ドレミでの練習を取り入れつつ、テンポルバートを活用してあなた自身の音楽をさらに魅力的にしてみましょう。

野口 尚宏