ジャズピアノにおける「置く」の重要性
ジャズピアノの魅力は、豊かなコード進行にあります。
しかし、美しいハーモニーを奏でるには、単に鍵盤を押すだけでなく、
適切なタイミングで手を配置する技術が不可欠です。
この「置く」テクニックは、ジャズピアノの流れるような演奏を支える重要な要素なのです。
先を読む:次のコードへの準備
ジャズの演奏では、次のコードを常に意識することが重要です。
現在のコードを弾きながら、次のコードの位置に手を移動させる準備をします。
この「先読み」の姿勢が、スムーズなコード転換を可能にします。
タイミングの重要性
適切なタイミングで手を配置することは、リズム感を維持するために欠かせません。
コードが変わる瞬間に慌てて手を動かすのではなく、
前のコードを弾いている間に、さりげなく次の位置に手を移動させます。
このスムーズな動きが、ジャズらしい流れるような演奏を生み出します。
練習方法:まずはゆっくりスタートして徐々にテンポを上げていく
この技術を身につけるには、まずゆっくりとしたテンポで練習を始めます。
コード進行を確認し、各コードへの手の移動を意識しながら弾いてみましょう。
徐々にテンポを上げていき、最終的には本来のスピードで自然に手が動くようになることを目指します。
ボイシング(音の重ね方)の変更も視野に
手の配置を意識することで、ボイシングの変更も容易になります。
次のコードに向かって手を動かす際、異なるボイシングを選択することも可能です。
これにより、より豊かな表現力を持った演奏が実現します。
ジャズピアノにおいて、コードを「弾く」前に「置く」ことは、
プロフェッショナルな演奏への近道です。適切なタイミングでの手の配置を意識することで、
流暢な演奏と豊かな表現が可能になります。
この技術を磨くことで、あなたのジャズピアノはより一層魅力的なものになるでしょう。
野口 尚宏