ジャズピアノの基礎:多様な音楽で感性を磨く方法

ジャズピアノはクラシックピアノとは異なり、演奏そのものが即興的な作曲に近いものです。メロディや和音の重ね方はひらめきによるものが大きいですが、それは日々の音や指の記憶に基づいています。この基礎的な技術は、真剣に取り組めば半年ほどで身につけることが可能です。しかし、その完成度は個人の音楽の好みによって異なります。

音楽を楽しむことは大切ですが、自分の好みだけで曲を選ぶと同じような曲ばかりを演奏してしまうことがあります。そこで、まずは音楽理論を学び、音楽の仕組みを理解することが重要です。理論を知ることで、自分の好みや感情を排し、多様な音楽に触れることができるようになります。
音楽理論やコードの基礎知識に関しては「ジャズ初心者のためのジャズ理論かみくだき」「ダイアトニックコードとは」「左手の押さえかたについて(今回は少し難しいかも)」にも記載しています。

多くの音楽を聴くことで、断片的でもさまざまなメロディやハーモニー、リズムを知ることができます。これにより、自分の音楽性の幅が広がり、豊かな音楽の世界から自分自身の音楽を発展させることができるのです。

ジャズピアノを本気で学びたいなら、感情に流されず、多様な音楽に触れ、その中から自分のスタイルを見つけ出すことが重要です。こうした取り組みが、自らの演奏に深みを与え、個性豊かな音楽を生み出す鍵となります。

野口 尚宏