ジャズを「アルバム」で聴く贅沢―サブスク時代にこそ味わいたい音楽体験

サブスクで音楽を聴く時代の「便利さ」と「物足りなさ」

今やスマートフォンひとつで、サブスクを通じて世界中の音楽にアクセスできる時代です。
好きな曲をすぐに検索し、気軽にプレイリストを作れる便利さは、
まさに現代の恩恵と言えるでしょう。
しかし、その一方で、かつてレコードCDで音楽を聴いていた頃に比べ、
音楽そのものにじっくりと耳を傾ける機会が減ってしまったと感じていませんか?

ジャズは「アルバム」で聴くからこそ面白い

特にジャズというジャンルはアーティストがアルバム全体を通して
ひとつのストーリーや世界観を描いていることが多いものです。
1曲ごとに聴くのももちろん楽しいですが、
アルバムを最初から最後まで通して聴くことで、
アーティストの意図や演奏の流れ、即興の妙味まで味わうことができます。
これは、ジャズの醍醐味のひとつです。

1曲ずつでは見えない「流れ」と「物語」

サブスクの便利さが、つい「好きな曲だけをつまみ食い」してしまう習慣につながりがちです。
しかし、アルバム単位で聴くことで、アーティストがどんな順番で曲を並べ、
どんな物語を紡ごうとしたのか、その意図を感じ取ることができます。
1曲ずつでは見えなかった「流れ」や「物語」が
アルバム全体を通して聴くことで浮かび上がってくるのです。

アーティストの世界観に「浸る」贅沢

ジャズアルバムを通して聴くことはアーティストの世界観にどっぷりと浸る贅沢な体験です。
時には、1枚のアルバムを何度も繰り返し聴くことで、新たな発見や感動が生まれます。
サブスクの時代だからこそ、
あえてアルバム単位でじっくりと音楽に向き合ってみてはいかがでしょうか。

ぜひ次の休日は、お気に入りのジャズアルバムを最初から最後まで通して聴いてみてください。
きっと、これまでとは違う音楽の楽しみ方が見つかるはずです。

野口 尚宏