ジャズ・スタンダードは創作の教科書
ジャズスタンダードは、ただ演奏するための曲ではなく、
オリジナル曲を作る上での“型”や“文法”が詰まった教材です。
AABAやブルース進行などの構造を学ぶことで、作曲に必要な感覚が自然と身につきます。
コード進行から物語を生み出す
ジャズでは、コード進行が音楽の物語を支える骨組みになります。
即興演奏を通じて、コードの機能や流れを体感することで、
メロディやハーモニーの組み立て方が理解できるようになります。
メロディに自分の言葉をのせる
スタンダードを演奏し慣れることで、
メロディの持つ“歌心”や“間”を感じ取る力が養われます。
これはそのままオリジナルメロディを作る際にも活かされ、
自己表現の幅を広げてくれます。
模倣から創造へ
最初は模倣でいいのです。
音楽教育でも、模倣から始まって、
やがて独自性へとつながる道を辿ります。
ジャズスタンダードの多彩なアレンジを経験することで、
自然と“自分らしい表現”が芽生えてきます。
「自分の音楽」を始めるために
「作曲なんて特別な才能がないとできない」と思っている方も、
まずは一曲のジャズスタンダードを丁寧に学んでみてください。
そこには音楽を生み出す力の土台が、しっかりと息づいています。
野口 尚宏